㈶日本医療機能評価機構が行なっている病院機能評価事業は、病院が組織的に医療を提供するための基本的な活動 (機能) が適切に実施されているかどうかを評価する仕組み。評価調査者 (サーベイヤー) が中立・公平な立場にたって、所定の評価項目に沿って病院の活動状況を評価し、その結果明らかになった課題に対し、病院が改善に取り組むことで、医療の質向上が図られる。
病院機能評価の審査の結果、一定の水準を満たしていると認められた病院が「認定病院」となる。認定病院は、地域に根ざし、安心・安全、信頼と納得の得られる医療サービスを提供すべく、常日頃努力している病院であると言え、すでに全国の病院の約3割が認定されている。
評価の対象領域として、まず「病院組織の運営と地域における役割」がある。病院の基本方針と計画的な組織運営や病院全体の管理体制、情報管理機能、地域における役割と連携、健康増進活動と地球環境への配慮、継続的な質の改善活動などについて、2つ目には「患者の権利と医療の質および安全の確保」で、患者の権利の尊重や患者との診療情報共有と診療への参加促進、患者の安全確保の体制、チーム医療の推進と診療の質の向上などが評価の対象となる。
3つ目は「療養環境と患者サービス」。来院者への案内機能、患者・家族の医療相談の体制やプライバシー確保への配慮、療養環境の整備などで、4番目の「医療提供の組織と運営」では、診療、看護、コメディカル、手術・麻酔、救急、診療録管理や外来など、院内の各部門 (機能) の組織運営を、「体制の整備」「機能の発揮」「質の改善」などの面から評価する。
5つ目の「医療の質と安全のためのケアプロセス」では、病棟における医療の方針と責任体制、入院診療の計画的対応、適切なケアサービスの実施、ケアの実施、ケアプロセスにおける感染対策、診療・看護の記録、病棟での薬剤・機器の管理、6つ目の「病院運営管理の合理性」で人事・労務管理、財務・経営管理、施設・設備管理等の合理性と適切性や病院の危機管理への適切な対応などについて評価する。
7つ目は「 精神科に特有な病院機能」で、精神科病床を有する場合に、精神科に特有でかつ重要な機能が評価され、8番目の「療養病床に特有な病院機能」では、療養病床を有する場合に、療養病床に特有でかつ重要な機能が評価の対象となる。
- 九州各県の病院機能評価認定施設件数
- 福岡 145
- 佐賀 29
- 長崎 39
- 熊本 68
- 大分 49
- 宮崎 32
- 鹿児島 78