=浜の町病院がTQM活動を事例発表=
(社)日本経営協会が主催した第7回九州ホスピタルショウ2011(安井久喬委員長=浜の町病院院長)が11月29日、30日の両日、福岡国際会議場で開かれ、医療機器メーカーなど31社から医療関連商品やシステムなどが出展され、にぎわった=写真。
今年のテーマは「医療人の協働で切り拓く明日の医療・介護・福祉」。初日は記念講演に続いて病院マネジメントと医療TQM、翌日は病院IT化と看護の実践についてセミナーが行なわれ、出展企業からも7種類の演題でプレゼンテーションセミナーがあった。
患者の視点に立った医療への改善を
医療TQMセミナーで浜の町病院の大城戸政行乳腺内分泌外科部長が、同病院のTQM活動について発表した。
TQMとはトータル・クオリティ・マネジメントの略で、TQC(統一的品質管理)を経営の分野にまで広げたもの。現場を中心としてチームを編成し、みずから決めた改善すべき目標の達成に向けて、全員参加を基本とした小集団活動。分析手法には通称「魚の骨」と呼ばれる発想型の特性要因図のほか、高度な数式を用いるものまでさまざまあり、たいてい年に何度か発表会が行われる。
大城戸医師は「当院のTQM活動は2年前に始まったばかり」と前置きし、麻生飯塚病院でTQMに詳しい安藤廣美副院長を招いて院内で講演会を開催、数ヶ月後に佐賀県立病院好生館と新小倉病院でTQM活動の実際を見学、平成22年7月から浜の町病院でTQMをスタートさせたと経緯を説明した。そして「当院の目指すTQMは、患者にとって何がよい医療か、それを実現するために各部門や職種がどうすればいいのか考え、足りない点を改善しよう、これが大きなテーマになった」と話し、「今までの医師中心の診療から、患者の視点に立った総合的な医療への改善を目指すことにした」とし、TQM手法に則して活動したことが報告された。