高齢者や病気がちの人を直撃。受診の抑制につながるおそれ
初診、再診にかかわらず、治療を受けるたびに窓口で定額を負担させられる「受診時定額負担」導入の阻止を目指す福岡大会が11月24日、福岡県医師会館で開かれ、医療従事者のほか福岡県の婦人会や老人クラブ、JAなどから300人が集まり、気勢をあげた=写真。
主催した福岡県保健・医療・福祉協議会によれば、たとえば医療費とは別に100円を治療ごとに払ったとすれば、年間1300億円の負担増となり、受診回数の多い高齢者や病気がちの人を直撃するだけでなく、受診の抑制につながるおそれがあり、いったん導入されると額が引き揚げられるだろうとの懸念もある。
日本の患者負担は先進諸国に比較してかなり高くなっており、日本医師会は「高額医療費のあり方を見直すのは賛成だが、公的医療保険である以上、その財源は幅広く保険料や税財源に求めるべき」としており、福岡大会の決議でも「国民全体で支え合う医療保険制度の基本理念に反し、将来にわたり7割を維持するとする現健康保険法にも反する」としている。