虐待防止フォーラム:虐待防止運動は社会全体で

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虐待防止フォーラム

 近年増加している児童虐待の早期発見を主眼に、ゼロ歳児からの子ども虐待防止を目指すフォーラムが11月26日、福岡県医師会館で開催され、医療従事者や教育者、一般市民など144人が集まった=写真。全国で年4回行われているうちの1つ。

 専門家の立場から、県医師会常任理事の大木實(日本警察医会副会長)、井上登生(井上小児科医院長)、小松良樹(福岡児童相談所所長)、西澤哲(山梨県立大学教授)、今村定臣(日本医師会常任理事)の5氏が発言したあと質疑応答があった。

 最後にSBI子ども事業財団の田淵義久理事長が「虐待の通告は他人の秘密を暴くという重圧感があるが、通告がなければ子供を守れないと考えてほしい。0歳児については、周辺が妊娠を知らない環境から、少しでも多く子どもを救える手立てを考え、地域ぐるみで係わっていくことが大切。虐待防止は社会全体が参加する運動であり、これを機会に運動に励んでもらいたい」とまとめた。

主な質疑応答

【男性医師A】
高度経済成長期に、母親が家で子育てするのが当然という母性神話が確立し、それが母親の育児ノイローゼ発症につながった。虐待の通報が5万5千件あっても10㌫しか施設に入れず、家に返されて虐待が繰り返される。通報は氷山の一角で、通報されずに育っている現状がある。

【井上登生院長】
行政が虐待防止マニュアルを出しても「該当せず」と判断すれば帳消しになる。学校医が関心を持つことが肝心。今回のフォーラムで、マニュアルが動いていないのを実感した。虐待の現場に直接出向く「攻めの姿勢」がなければ防止できない。14回の妊婦検診は市町村の補助があることを周知させ、受診者の経済的な背景を観察するなど積極的な係わりを続ける必要がある。

【男性医師B】
虐待の根幹は、親に愛情を注がれなかった男女が、望まない子どもを持った不幸にある。養育の負の連鎖が虐待につながる。NHKの番組で、象が本能以外に群れで生活する中で母性を習得していく過程を放映していたが、人間の親子関係の構築もこれに類似しているのではないか。子供を取り巻く環境内の人間関係のあり方が問われる。子育ての社会化を考えるなら、先進国の子供への財政投資10㌫程度に対し日本は4㌫。子供経費の十分な確立が虐待防止には必要だ。

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 県外から参加した医師の1人は「親の虐待で施設に入っても、その施設で問題児同士の虐待が起こっている。国からの施設経営の援助が十分に行き届いておらず、少ない予算で稼働せざるを得ないため、職員がストレスを感じて子供にあたり、虐待につながっている施設もあることを取り上げて欲しかった」と残念がり、虐待防止が地域の努力や善意だけでは行き詰まりに来ていることも示していた。(那)

児童虐待かも?と感じたらTEL:0570-064-000( 全国共通ダイヤル)


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