第11回アジア小児腎臓学会学術集会・第46回日本小児腎臓病学会学術集会が福岡市国際会議場で6月2~4日の3日間開催された。「Cooperation and Communication」というテーマの下アジアからたくさんの医療関係者が参加した。
【会長挨拶】久留米大学医療センター小児科 伊藤 雄平 会長
2008年のタイ、バンコクでのアジア小児腎臓学会理事会で第11回の日本開催が要請されました。それを受けて日本小児腎臓病学会でも開催を決め、アジア小児腎臓学会の担当理事であることから会長を引き受けました。その際、日本小児腎臓病学会学術集会も同時に開催することになり、2つの学会の会長を兼任することとなりました。
今世紀はアジアの時代と言われています。アジアは大変な勢いで変貌を遂げています。それは、普段マスコミを通じて眼にする経済的発展だけをいっているのではありません。医学の世界も同様です。日本はアジアの一員であり、今後もアジアの小児腎臓病に苦しむ子どもたちの医療に積極的な役割を果たさねばなりません。すなわち、学術的にアジアのリーダーとしての役割を担う必要があります。
現在、日本小児腎臓病学会は韓国との学術交流をすすめていますが、世界の小児人口の3分の2がアジアにあることを鑑み、今後は従来に増して多くのアジアの国々とも情報を交換し、実り多い関係を作らねばなりません。そこに2011年の本学会の日本開催の意義があります。日本小児腎臓病学会がアジアを重視している姿勢をアジアの小児腎臓医に知ってもらうには絶好のタイミングと考えます。さらに本学会は酒井糾先生、北川照男先生のご指導のもと、第1回(1988年、東京:伊藤克己会長)、第2回(1989年、名古屋:矢崎雄彦会長)は日本がイニシアチブをとる形で立ち上げています。
さて、プログラムは2つの学術集会を一体として考えたものになります。特に、日本小児腎臓病学会学術集会は中堅・若手の教育を主眼にプログラムを組む事となります。中堅・若手小児腎臓医には、本国際学会をよいチャンスと捉え、積極的な発表を望みます。そして、アジアの小児腎臓医との交流を楽しんでください。目標は"Hot Discussion & Warm Communication"です。一人でも多くの会員が最終プログラムまで参加していただくことが学会を成功に導きます。たくさんの会員の参加により実り多い学会となる事を祈念致します。