福岡大学医学部長 黒木 政秀 学会長
本日は松田会頭を初め、医師会の先生方のバックアップのおかげで無事第3回の医学会総会が行われることとなり誠にありがとうございます。昨年この会の時期会長挨拶の中でテーマを発表させていただきました。
1つ目は勤務医と開業医の協力です。先ほど会頭からも大学の勤務医を中心に医師会の会員に入りやすい施策を進めているというお話をいただきまして大変ありがたく思っております。といいますのも医療界の不況だけでなくわれわれが一致して取り組まなくてはならない問題が出てきているからです。
その中から1つだけ紹介しますと、現在の日本は医師不足ですが、何年か経つと医師過剰だということになりかねません。そういう状況の中で、医学校を新たに作るという動きが出てきています。われわれ既存の大学も含めて本当に医師不足なのか議論して現代の医療界の意見として述べるべきだろうと思います。
2つ目は大学で研究が行われている新しい先端医療の地域への還元です。今回のシンポジウムで各大学で行われている先端医療を皆さんに紹介いたします。もちろん大学だけではなく医師会で直面している問題や取り組みを紹介してもらうということも含めて、より進んだ地域医療を目指す使命があるだろうと思います。一方大学におきましては大学の特徴を皆様に紹介することによってその特徴にあった患者さんを紹介していただけるように主張していきたいと思います。
そして3つ目は地域医療の再生です。現在地域枠で大学の定員を増やしていいと文科省は言っています。と同時に厚生省は県を通じて地域枠で入学した学生を卒業する前に医師として派遣して欲しいということで補助金を出してまいりました。現に我々は苦しい中でもいくつかの病院に各大学から医師を派遣しております。それとともに地域医療に将来役立てて欲しいという学生さんを昨年、一昨年から10人ずつ増やしております。福岡大学は本日将来間違いなく医師会に入ってほしい地域枠の学生を本日この学会に参加させております。といいますのは、医師は生涯教育だということを大学に入ってすぐから学んで欲しいということで、お医者さんになられた先生方がこのように勉強している姿を見せたいという考えであります。
後輩は先輩の背中を見て育ちますので講演の間、真剣に聴講し、活発に質問や意見の交換をしていただきますよう皆様にお願いいたします。ぜひ、いいお手本を見せていただきたいと思います。
最後になりますが、勤務医と開業医の先生が一致団結すること、我々が大学で取り入れていることを皆さんに出来るだけ紹介することで少しでも地域医療に役立つ学生さんを確実に育て、将来医師会のメンバーになってくれるということを期待してこの学会を進めていきたいと思います。本日は1日ご協力よろしくお願いいたします。