今月の1冊 - 5. 悪名の棺 笹川良一伝 -

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工藤 美代子 著

悪名の棺 笹川良一伝

悪名の棺 笹川良一伝 工藤美代子著
(幻冬舎 1,700円)

極めて良質のドキュメンタリーが生まれた。かつて日本の黒幕、フィクサー、右翼のドンなどマスコミから誹謗中傷された故笹川良一氏。30年前、バンクーバーでのパーティーで作者は笹川と出会い漠然と「怖い人」とのイメージを抱いてきた。ところが最近になってモンゴルや海外の各地で福祉事業に打ち込んだ笹川の側面を知るようになる。戦後の悪の象徴のように言われた理由はどこにあるのか、その疑問を徹底して解き明かしたのが本書。

明治32年、笹川は大阪府下の裕福な造り酒屋に生まれた。幼馴染はノーベル文学賞の川端康成で日本ペンクラブ会長の川端が資金難で苦労しているのを知ると「君のように学問のある者は学問をもって世の中に奉仕する、多少でも金のある者は金で奉仕する、それが私の主義だから」と資金援助している。先物取引などで天才的な商才のある笹川は巨万の富を得ていたのだ。

その経済力をバックに国粋大衆党で右翼活動に力を注ぎ、大阪近郊に大阪防空飛行場を作るとそのまま陸軍に寄付。しかも勲章を与えようとするのを拒絶する。一方でハンセン病撲滅のために莫大な私費を投じている。A級戦犯容疑で巣鴨プリズンに投獄されたが、結局は釈放された。巣鴨では「天皇を守れ」と東条英機を叱ったほど。

日本船舶振興会(現、日本財団)での「人類みな兄弟」キャンペーンはまだ記憶に新しい。これまでの笹川像が一変させられる力作だ。

(関戸 幸治)


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