産業医科大学病院 病院長 中村 利孝

  • はてなブックマークに追加
  • Google Bookmarks に追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • del.icio.us に登録
  • ライブドアクリップに追加
  • RSS
  • この記事についてTwitterでつぶやく

年頭所感

産業医科大学病院 病院長 中村 利孝

あけましておめでとうございます。この1年の皆様のご多幸とご繁栄をお祈り申し上げます。

リーマンショック以後、政治の世界は経済低迷の影響をまともに受け出口を見いだせない状況です。ドル安誘導で経済の再建を目指したアメリカのオバマ政権は、中間選挙で大敗しました。ヨーロッパではギリシア危機に端を発した経済不安が、ポルトガル、アイルランドにまで波及しています。我が国でも歳山超過により、国の借金は増加の一途をたどっています。

このような世界的な規模での国家経営の混乱の中にあって、個々の企業の中にはバブル期以後で最高の収益をあげたところもありました。そのような企業では、組織体制のスリム化だけでなく新たな価値を創造できる可能性のある部門を拡充し、積極的な投資拡大を行っているところが多いようです。混迷する国家経営とは対照的に、企業のガバナンスの中には、他からの援助は期待できない環境と、繰り返す危機により鍛えられてきた「力強さ」と「したたかさ」を感じます。

「人の集団」が円滑に活動するには、大きな方針や方向性の設定が不可欠です。とはいえ、この設定があまりに細分化されると、個人の活動が制限されます。個人の自由な創意と工夫の余地がなくなると、発展が阻害されることは明らかです。実際、人間の意図的な計画のみにもとづいた体制がうまく行かないことは、ソビエト連邦の崩壊で実証されました。「見えざる手」に依存した市場経営体制の方が、社会の発展には有効であるということが確認されたわけです。

しかし、その後「見えざる手」の確認は、確信から過信へと変化し、結局のところ、人々の間で新たな階層化を促進し、社会全体をアナーキーで制御不能なものとしていく不安も感じられるようになりました。管理部分による「適切なリーダーシップ」と実行部分における「個人の創造性の十分な発揮」とをどのように調和すれば最適な発展につながるか、言い換えれば、民主主義にもとづく適切なガバナンスとはどのようなものかを、現実の課題として考えていかねばならないに思います。

今年が皆様にとり、良い年であることを祈念いたします。


九州医事新報社ではライター(編集職)を募集しています

九州初の地下鉄駅直結タワー|Brillia Tower西新 来場予約受付中

九州医事新報社ブログ

読者アンケートにご協力ください

バングラデシュに看護学校を建てるプロジェクト

人体にも環境にも優しい天然素材で作られた枕で快適な眠りを。100%天然素材のラテックス枕NEMCA

暮らし継がれる家|三井ホーム

一般社団法人メディワーククリエイト

日本赤十字社

全国骨髄バンク推進連絡協議会

今月の1冊

編集担当者が毎月オススメの書籍を紹介していくコーナーです。

【今月の1冊, 今月の一冊】
イメージ:今月の1冊 - 88. AI vs. 教科書が読めない 子どもたち

Twitter


ページ上部へ戻る