第64回国立病院総合医学会【オープニングリマークス】

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これからの国立病院機構 独立行政法人国立病院機構 矢﨑 義雄 理事長

独立行政法人国立病院機構 矢﨑 義雄 理事長

今は第2期中期計画の2年目でございます。診療事業、臨床研究事業、教育研修事業の三つの柱は従来通りですが、今期はそれらの成果をネットワークを活かしてさらに安定的な基盤を確立する事です。

では第1期を通じて第2期をどう対応すべきか。昨年、4つのキーワードを申しました。それは情報発信、医療の質向上への更なる取り組み、人材の育成・確保、それに非公務員化で、今年もこのキーワードは大事だと思われます。昨年は企画段階でしたがすでに実施されているものも多くあります。

まず情報発信ですが機構本部に総合研究センターを設けDPCの病院、医事会計システムを導入した病院の患者情報をセンターに集めるべくIT化の整備を着々進めています。そして診療情報を分析してわが国の医療のエビデンスを作る。その体制はほぼ整いました。

2番目のキーワードの医療の質向上では新たな臨床評価指標を設けています。従来はアウトカム指標が中心でしたが、プロセス指標も入れました。これはどういうことか言うとプロセス指標を入れることによって医療の質の向上が図れるからです。また医療安全の推進にはどうしたらいいのか、チーム医療や職種間協働(スキルミクス)の推進、そしてまた地域医療、病診・病病連携の推進やセーフティネットとしての特定疾患への対応を充実させようというのが私どものポイントであります。

3番目のキーワードはよき人材の育成です。事務部は人材ではなく財産の財の人財と言われますが全くその通りと思います。高度専門性を身に着けた医療職を育てるということで充実した研修制度を行うのです。人材を確保して魅力ある病院作りをする、逆に魅力ある病院でなければ素晴しい人材は確保出来ないのです。それには普段の努力が必要で先生方が、例えば病院のホームページや病院便りを作るなど、風通しのいい病院にすることで人材の確保をお願いしたいと思います。それと医事機能の強化とあわせた経営人材の育成でも頑張っていきたいと思います。

その中で新構想看護学部、大学院の設置があります。高度な看護実践能力を持ち、スキルミックスによりチーム医療を提供できる看護師の育成が目標です。厚生労働省は特定看護師といっていますが我々は診療看護師(NP ナースプラクティショナー)と言っていまして、東京医療保健大学と協同で看護大学と大学院を作ったところでございます。

  1. 臨床実習を充実させた看護基礎教育課程である看護部(4年間)と
  2. 高度な看護実践技術の獲得を目的とする高度看護実践課程である大学院(2年間)との一貫した教育を
  3. 国立病院機構の医療現場と一体となって行う―のです。

今、医師会や一部の大学からは特定看護師は認められないとの意見も多くございますが、私どもが考えるのはこの資格があるから、この医療行為が出来るとの単純なものではありません。教育を充実して看護師さんが看護学を基盤として患者に医療行為を行ったときに患者さんにどういう影響を与えるか、あるいは病気にどういう影響を与えるかをしっかり理解してもらうことです。

すなわち医師が「こういう医療をやりなさい」と言ってただスキルを用いてやるのではなく、行った行為がどういう影響があるのかをしっかりわかるような看護職を育成するのです。

体の働きや病気の成り立ちに理解を深め、患者さんの状態を知る診断技術を身につけるのです。資格があるからこんなことが出来るというのではなく、看護職が自分の得た経験と厳しい訓練で自分の行い得る範囲の医療を行うのです。

自分の裁量権を持ち、それ以上なら、あるいは急変した場合には必ず医師に相談するなどの判断が出来る看護職を育てるのが私どもの主旨です。10年、20年は教育にかかるかもしれませんが、東京医療センターを中心に大学院の学生を育成しながら世の中に認められる努力を続けて行きたいと思っています。

大学院発足後1年目で、まだ試行錯誤の中ですが、患者さんや国民の目線から理解いただけるよう進めて行きたいと考えます。


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