今月の1冊 - 2. 江戸時代の「法医」事件簿 -

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宇江佐真理著 室の梅―おろく医者覚え帖

宇江佐真理著 室の梅―おろく医者覚え帖
(1998年8月、講談社刊、四六版232P、1,680円)

主人公の美馬正哲は「おろく医者」江戸時代の「法医」といえばお分かりいただけるだろうか。「おろく」とは南無阿弥陀仏の六文字に由来し、事件や事故で死んだ遺体を検死する稼業から、こう呼ばれている。彼は一度も患者の脈をとったり投薬したりしたことがない医者なのだ。

正哲は『解体新書』が刊行された安永三(1774)年、八丁堀の医者の家の三男として誕生。正哲の父洞哲は町医者、長男玄哲は姫路藩酒井家の藩医、次男良哲は蝦夷松前藩松前家出入りの医者という医者一家である。その中にあって三男正哲だけ勝手が違い、八丁堀の役人と組んで死人の検死ばかり行っている。あまり実入りの良くない商売で、産婆をしている妻のお杏の稼ぎをもっぱらあてにしている。死人しか診ない正哲と出産に携わる妻お杏が好対照だ。

本著は全4話から成るが第2話「おろく早見帖」では、正哲がかの華岡青洲の教えを請うため紀州に赴き、長期間不在となる。その間にも事件事故は発生し都度検死が必要になる。そこで江戸に残った妻お杏は夫が残していった「おろく早見帖」(いわばマニュアル)を使い事件を見事解決へと導く。お杏の活躍ぶりが痛快な1話。

最終話「室の梅」ではなかなか子宝に恵まれなった正哲、お杏夫婦に娘お哲が生まれ幸福な結末を迎える

(安東伸子)


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