九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

順天堂大学医学部附属順天堂医院 院長 髙橋 和久

順天堂大学医学部附属順天堂医院 院長  髙橋  和久

 新年あけましておめでとうございます。新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の収束は依然として見えず、日々感染者数は増加しています。当面この未曽有のウイルス感染症との戦いは続くと思われます。

 米国でCOVID―19に90%以上の有効性を示すワクチンが承認されましたが、日本人での安全性は確認されておらず、日本の臨床の現場への導入には時間がかかりそうです。今後はCOVID―19との共存を前提とした持続性のある医療提供体制を確立する必要があります。

 順天堂医院は感染対策で厳しい基準が設けられている国際医療機能評価であるJCI(Joint Commission International)の認定を受けており、感染症対策には以前から定評があります。当院はCOVID―19患者への対応はもちろん、特定機能病院として、がん、重篤な心臓病、難病などの患者さんに対してもロボット支援下手術など高度で安全な医療を提供し続ける責務があります。

 そのためには院内感染を防止することが不可欠です。現在 、COVID―19診療と一般診療の区域とを完全に分離することで、交差感染を防止しています。また、外来患者に対しては病院での滞在時間をなるべく短縮する目的で、オンライン診察、医療費の後払いクレジットカードサービス、お薬の宅配サービス、ウオークスルー検査、メディカル・コンシェルジュによる検査予約を開始しました。

 今後はIT、AI導入をさらに加速させコロナ禍で持続可能な外来診療の整備を急ピッチで進めます。

 さらに、13番目の臨床研究中核病院として医薬品、医療機器を開発し、世界にエビデンスを発信していきます。

 しかし、順天堂医院が目指す医療は、学是「仁」の精神のもと「ひとのこころが通う医療」であることには変わりはありません。当院は少しでも患者さんに不安なく医療をお受けいただくため、万全の感染対策を整備し、安心・安全な高度先進医療を「 Patient First 」で届けてまいります。

 今年もご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

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