九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

獨協医科大学病院 病院長 窪田 敬一

獨協医科大学病院 病院長  窪田  敬一

 皆さま新年あけましておめでとうございます。本年夏には延期された東京オリンピック・パラリンピック2020が開催される予定です。新型コロナウイルス感染症が収束して、素晴らしい年になることを期待しております。

 私ども獨協医科大学病院は、栃木県の中核基幹病院であり特定機能病院でもあります。本年も引き続き、医療安全に留意した高度な医療を提供してまいります。

 第一に、栃木県内でも多くの新型コロナウイルス感染症患者が発生しました。新型コロナウイルスに対するワクチン接種が可能になれば、状況も一変するかもしれませんが、収束の兆しは一向に見られず、医療が逼迫(ひっぱく)する状態です。栃木県内の受け入れ病院を見ても余裕はありません。国、県が効果的な対策案を講じることが望まれます。

 当院としては使命である、中等症・重症患者の治療に当たりたいと思います。治療を担当してくれる医療スタッフの疲弊度は強く、メンタルケアも忘れず行います。

 第二に、地域の高難度技術を要する治療、救急医療など、特に重症患者さんの医療を特定機能病院として担ってまいります。消化管手術、肺切除術、産婦人科領域手術などに積極的にロボット支援下手術を導入していきます。当院には排泄機能センターがあり、排泄機能障害に対してもロボット支援下手術を施行しております。

 さらに、移植医療にも力を入れてまいります。生体肝移植、肺移植に加えてI型糖尿病患者に対する膵腎同時移植も施行しており、北関東の移植医療の要としての役割を果たしています。

 また、当院では、ドクターヘリを運用していますが、救命率を上げ、後遺症を減らし、救急医療の中核としての役割をさらに強化します。

 第三に、医師の働き方改革では、時間外労働の上限規制が適用される2024年に向け、労働時間短縮を進めながら、従来通り高度・高質な医療を提供してまいります。

 4週8休制度を既に導入しており、医師の勤務時間の短縮を図っております。さらに、特定看護師を積極的に導入することで、医師の業務負担の軽減が期待されます。

 地域の医療提供体制の改編など、大学病院を取り巻く状況は厳しいと言わざるを得ません。さらに、栃木県でも人口の高齢化、少子化が進んでおり、社会の変化・需要に対応した当院の役割を継続して果たしてまいります。

 最後になりますが、皆さま方のご多幸を祈念いたしまして、年頭のごあいさつとさせていただきます。

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