九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

東京女子医科大学病院 病院長 田邉  一成

東京女子医科大学病院 病院長  田邉   一成

 2021年の年頭所感は新型コロナ一色となることと思います。新型コロナ感染症は未曽有の大災害とでもいうべき事態であると思います。

 私の病院も1月から対応をはじめ、これまでに100回を超える会議を行いながら、現場の感染症対策を行いながら対応してまいりました。2月、3月は次々に起こる想定外の事態に振り回されながら、各部署の感染症対策、安全対策を構築しつつ、病院全体で一丸となって立ち向かってきました。私の長い医師生活でも本当に想定外の事態でした。

 ただ、このような事態の中で、感染症に対する備えは、この新型コロナウイルス感染症対策を通じて非常に強化されてきたと思います。これまで机上の話であったものが現実となり、現実の対応が理論通りに行かないことを痛切に思い知ることとなりました。

 このような中でも医師、看護師、臨床検査技師、事務職員も含めて病院職員全員が一丸となり、勉強し、訓練し立ち向かってくれています。本当に頭の下がる思いです。

 
 また、大学病院の持つ、がんなどの重大な疾患の治療という任務を確実に果たすための体制づくりも急務となっています。このためには、これまでの枠にとらわれない考え方も必要と思っています。

 新型コロナにも対応しつつ、通常の疾患の治療にも対応するという2面対応をしながらのかじ取りは難しいものがありますが、今こそが職員全員の知恵を集約し「突破口を(見つけるのではなく)作って行く」時であると思っています。

 2021年もまだまだこの新型コロナ禍は収束しそうにありませんが、ここまで培った経験を生かし、成長させながら新たな危機に対応していきたいと思っています。

 そして2022年の年頭所感では、いかにして新型コロナ感染症を乗り越えたかを述べることができるようになると信じています。

 〜新型コロナ感染症対策に追われる病院長室にて

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