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愛知県看護協会 会長 鈴木 正子

愛知県看護協会 会長  鈴木  正子

 新年あけましておめでとうございます。令和に入って初めての新年の日々、いかがお過ごしでしょうか。

 さて、皆さまは「Nursing Now」というキャンペーンをご存じでしょうか。ナイチンゲール生誕200年の2020年の末まで、看護職への関心を深め、地位を向上することにより、人々の健康の向上に貢献することを目的に展開されている世界的なキャンペーンです。

 すでに世界の100を超える国の看護師団体が参加し、日本でも厚生労働省と日本看護協会が事務局を務め、医療に関係する多くの団体に参加、後援していただき、活発に活動しています。皆さまがご所属の団体にもご協力をいただいているかもしれません。

 このキャンペーンは、立ち上げにあのキャサリン妃が関わっていることから分かりますが、英国のグローバルヘルスに関する議員連盟が示した「トリプル・インパクト」と題した報告書が発端となっています。

 トリプル・インパクトとは、看護・助産が発展することが、世界各国の「健康の向上」・「男女平等の推進」・「経済成長の支援」という三つに重層的にインパクトを及ぼす、つまり貢献するということです。

 この三つは、国際連合の掲げる17の持続的な開発目標に含まれることから見ても、この報告書はインパクトが強かったわけです。

 新年が明けると、組織や団体は来るべき新年度の重点事業や活動目標を公表すると思います。愛知県看護協会でも、現在の看護をめぐる状況、愛知県に特有の課題、社会や政策からの要請などを総合して練り上げ、いくつかの重点事業にまとめました。

 事業の目標をあらためてみてみると、上述の三つが内包されていることが分かります。でも、結果的にそうなっただけで、はじめからこの三つを意識していたわけではありません。

 確かに、わが国では働く女性の少なくとも17人に1人は看護職といわれており、女性が男性と同等またはそれ以上に力を発揮できる職業です。

 看護職が地域包括ケアに貢献することは、地域の活性化につながります。経済学にミクロとマクロがあるように、私たちの携わる職業・職能も国連の目標のように広い視野から見つめ直すと、これまで認識しなかった思わぬ社会への影響力が見えてくるかもしれません。

 いずれにせよ、市民に「看護」をより正しく知っていただくことがキャンペーンであり、私たちに課せられた使命でもあります。

 キャンペーンは2020年末で終わりますが、皆さまは末永く看護に、そして愛知県看護協会にご支援、ご協力を頂きたく存じます。

 本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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