九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

患者も職員も安心できる病院に

患者も職員も安心できる病院に

社会医療法人誠光会 草津総合病院
古家 大祐 病院長(こや・だいすけ)
1984年滋賀医科大学医学部卒業。
米ハーバード大学医学部ジョスリン糖尿病センター、
金沢医科大学医学部糖尿病・内分泌内科学教授、
同大学病院副院長などを経て、2021年から現職。


◎ 10月に新名称「淡海医療センター」へ

 2021年7月1日、病院長を拝命いたしました。病院管理者として、患者さんサイドに立った安全、良質、かつ適切な医療の提供に努めます。これを実現するため、職員一同が、自ら進んで良い病院づくりに取り組み、当院であれば安心して自分も家族も診てもらうことができると心から思える病院を目指していきます。そして、いかなる病気も治療できる高度な技術と患者さんが安心して療養できる環境を整えることで地域医療に貢献していきたいと思います。

 21年10月には「より広域の地域に対し、より高度で専門的な医療を提供する高度急性期病院」へと進化するため、病院名称を「淡海医療センター」に改めます。


◎チーム医療と働き方改革を推進

「誠心誠意を尽くし、一隅を照らす光のごとく人々に幸せをもたらす医療を行う」という理念の実現を目指し、短期・中期の計画を構築していきます。この計画にのっとり、診療効率の向上とチーム医療の推進を目指した各種センターの立ち上げをはじめ、救急医療センター・ICU・HCUを統括責任者の指導下に一括した運営に取り組んでいきます。

 さらに患者総合支援センター(PFMセンター)の強化を図り、湖南地域における病診連携を推進するとともに、淡海ふれあい病院との連携も向上していきます。

 これと並行して取り組まなければならない重要なテーマである「働き方改革」での目標は、それぞれの医師、看護師、関係各所のタスク・シフトの推進としました。例えば、医師の事務作業軽減のため、事務作業補助員27人を配置して各種書類、サマリーの代行入力を行うとともに、日常診療、手術、当直による超過勤務軽減を目指し、非常勤医師の確保と配置も実行していきます。

 さらに毎週の医局会では、逆紹介率70%以上を目指すよう促しています。これを達成することで、外来業務の軽減につながればと期待しています。


◎地域完結型医療の実現に向けて

 06年に滋賀県の民間病院で最大となる病床数719床のケアミックス型病院としてスタートし、湖南地域の医療ニーズに合わせて病床機能の変更を随時実施してきました。14年には急性期病床のうち、108床を地域包括ケア病床に変更しています。さらに高齢化の進行に合わせ、20年には草津総合病院から慢性期機能を分離し、淡海ふれあい病院を開設しました。

 これらの取り組みは、病院完結型医療を行ってきた当院がかかりつけ医の先生方や医療機関の方、さらには介護施設の方々と協力して地域包括ケア、地域完結型医療の実現を目指すという方向に方針を転換した結果といえます。この地域完結型医療を実現するためには、地域に存在する医療機関・介護施設が、それぞれの機能を発揮して患者さん
に適切な医療を提供することが必須となります。

 そこで、21年4月から草津総合病院で稼働を始めたコマンドセンターを地域医療連携推進法人湖南メディカル・コンソーシアム参加法人に拡大する予定です。コマンドセンターでは、病床稼働の他、患者さんへの対応状況、医療従事者の情報、患者さんの重症化、退院マネジメントが時空間的に可視化でき、入院中のベッドコントロールに加え、
重症患者さんのHCU、ICUへの移動が可能となっています。

 今後は、病院の医療機器・薬剤・医療材料・施設管理などハード面の管理機能に加え、患者別・部門別原価計算機能などの経営管理機能についてもコマンドセンターにて統合管理できるよう進捗(しんちょく)させていきます。このような機能を、湖南地域の地域医療連携推進法人参加施設に拡大させることによって、地域完結型医療が実現すると期待しています。



社会医療法人誠光会 草津総合病院
滋賀県草津市矢橋町1660 ☎ 077-563-8866(代表)
https://www.kusatsu-gh.or.jp/ghk/

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