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地域のニーズを把握し より信頼される病院へ

地域のニーズを把握し より信頼される病院へ


院長(いのうえ・かずと)

1985年神戸大学医学部卒業。
国立がんセンター中央病院(現:国立がん研究センター中央病院)外科、
日本赤十字社医療センター、大日徳洲会病院院長などを経て、2019年から現職。

 肝臓外科の医師として、これまでに肝移植手術などの経験を持つ井上和人氏が、この春、鎌ケ谷総合病院の院長に就任した。医師としての歩み、これからの病院運営の展望について話を聞いた。

最後まで諦めない

 幼い頃からずっと医師に興味があったという井上院長。その後、医師の道へと進む中で、「チームで目の前の問題に真正面から向き合う」。そんな外科医のスピリッツに魅力を感じ、神戸大学医学部を卒業後、外科医へと進んだ。

 心臓外科の医師として6年間勤務し、肝臓外科へと転向。その後は肝臓外科一筋に多くの患者と向き合ってきた。肝移植といった困難な手術も経験した。

 がん専門の治療や3次救急など、高度で緊急を要する患者の治療をしていく中で、ある覚悟が生まれたという。

 「3次救急ですから、次に患者さんを送る先はありません。だからこそ、ここで解決するんだ、決して諦めない、という強い気持ちが自然と培われていったと思います」

 その信念は今でも変わらない。折に触れ、院内スタッフにも、その熱い思いを伝えている。

地域の皆さんと共に歩むために

 がん治療においては、検診から手術・放射線治療・緩和ケアまでワンストップで治療が受けられる体制が整う。さらには今後、より充実した医療を提供していきたい、と意気込む。

 「小児医療の24時間化、夜間診療の充実。さらには病院に来ることができない重い症状の患者さんへ適切な医療を届けていくことも、当院が今後取り組む課題と考えています」

 これらの医療を実現するためには、人材の確保は欠かせない。

 「人員が確保できない部分は、IT化などを進めていく必要があると思っています。遠隔診療を実現し、医師の負担を減らす。実現可能な改善を少しずつ進めながら、円滑な業務運営を目指していく。一つずつできることを積み重ね、地域の皆さんに寄り添える病院であり続けたいと思います」

「親切だね」と言われる病院へ

 井上院長が繰り返しスタッフに話す言葉がある。それは〝親切であれ〟。

 「医療スタッフは、医療の専門的な教育は受けていますが、接遇のマナーはほとんど学んできていません。しかし、本当の医療人とは、接遇を学問として捉え、患者さんに還元することだと思っています」

 1日の外来患者数は、約800人に上るが、新患数は多いとは言えない。現在はこの問題を解決すべく改善に取り組んでいる。

 「患者さんが本当に求めているニーズを把握し、適切な医療につなげる。それにはシンプルですが、心と心のコミュニケーションが不可欠です。話を聞くことはもちろん、紹介状の返事をきっちりと書くことも徹底しました。クリニックとの連携を深めることが、信頼感・安心感につながると考えています」

 「鎌ケ谷総合病院なら安心」という土壌づくりはまだ始まったばかりだ。しかし、就任後院内の雰囲気にも変化が生まれている。

 「患者さんから、来てみたらスタッフさんの対応が良かった、と声をかけていただくこともあるんです」と顔をほころばせる。

 「私は、『24時間、365日、病院に来ていない時間も医師であることは変わらない』と恩師に教わりました。この考えは、働き方改革が進められている現状において、働く人たちの意識には必ずしもマッチしないかもしれません。しかし、医療人として、可能な限り患者さんに向き合う。耳を傾ける。その姿勢を持ち続けてほしいと思っています」

鎌ケ谷総合病院
千葉県鎌ケ谷市初富929—6 ☎047—498—8111(代表)
http://www.kamagaya-hp.jp/

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