医療法人恕風会 大洲記念病院 清水 晃 院長

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地域事情を踏まえた病院づくりで成功

【しみず・あきら】
1998年滋賀医科大学医学部卒業、愛媛大学医学部整形外科入局。2004年愛媛大学大学院医学系研究科卒業。愛媛県立中央病院などを経て、2008年大洲記念病院入職。2013年から現職。

「人を思いやる」という意味の「恕」を法人名に有する大洲記念病院。清水晃院長の就任後、整形外科に特化し、高齢化が進む山間部の医療を支えている。地域医療を担う中小病院の役割と戦略について、清水院長に話を聞く。

清水院長2.jpg

―大洲記念病院の特徴は。

 整形外科分野で、全国レベルの治療が受けられることです。

 私は10年前、整形外科専門医として当院に赴任し、高度専門医療を受けられる整形外科にするため、環境を整えてきました。赴任前に指導を受けていた先生のもとでは、それまでどんな医療機関にかかっても治らなかった患者さんが、正確な診断と適切な治療方針にかかるとみるみる回復するという症例を多く見ていた。そこで、信頼できる確かな腕を持った医師に声を掛け、関節外科を中心に専門医をそろえました。

 足の整形外科の第一人者である山本晴康先生や、膝の専門医である三浦裕正先生にも月に1回ほど非常勤で来ていただいています。

 今は患者さんの信頼を得られ、口コミで当院の評判を聞いて来られる方も多いですね。南予一帯だけでなく、松山市や今治市など他地域からも、セカンドオピニオンを求めて来院される患者さんが増えています。

 恕風会は、病院を基軸に介護やリハビリ、在宅診療にも力を入れています。病院は95の病床のうち、回復期リハビリテーション病床が45床。患者さんは術前術後から回復期に至るまで、転院することなく退院の日を迎えられます。

 二つの老人保健施設、デイケア施設、訪問看護ステーション、高齢者賃貸住宅なども経営しています。医療、リハビリ、介護、在宅の連係プレーで切れ目のない医療が提供できることもわれわれの強みです。

―地域の特性は。

 南予地域は山間部ですし、農家が多いので、関節疾患が多数を占めています。また高齢化も進んでいます。高齢の一人暮らしや老夫婦だけの世帯も多い。もし膝が悪くなれば、施設への入所を検討することになります。

 でも多くの方は、認知症を発症していなければ、自宅で過ごすことを望まれています。「手術を受ければ、また元気に歩けるようになる可能性が高い。もとの生活が保たれる」と説明すると、とても喜んでいただけます。

 「自分たちで何とかする」という意識が高い地域であることは素晴らしいと思いますし、その思いを実現できるよう、当院もサポートしたいと思っています。

―2018年の西日本豪雨で被災されました。

 河川が氾らんし、1階の天井近くまで浸水しました。この地域は水害を受けやすく、当院はそれ以前にも2回、洪水を経験しています。

 2016年に建物を増改築したのですが、水害対策は必須だと考えました。増築した建物は、2階以上に主要な診療部門を設け、患者さんが安心して診療が受けられるようにしました。その対策が功を奏し、西日本豪雨の時は、浸水から4日目には診療を再開することができました。

―これからの課題は。

大洲記念病院外観.jpg

 愛媛県は、四国の中で最も人口が多い県ですが、整形外科の手術ができる医師の数は圧倒的に不足しています。新しい臨床研修制度が始まった2004年前後、県内の整形外科医が一時的に少なくなったのが原因だと考えています。

 整形外科を含む外科系の医師は、ひとり立ちするまでに10年ほど経験を積む必要があります。当院は、愛媛大学整形外科専門研修プログラムの研修施設の一つです。これからは、われわれもバックアップして、早く一人前の医師を育てなければと思っています。

 診療技術はもちろん、設備や教育など若い医師に選んでもらえるような魅力を病院側が伝える必要もあるでしょう。

医療法人恕風会 大洲記念病院
愛媛県大洲市徳森1512-1
TEL:0893-25-2022(代表)
http://www.ozu-johukai.jp/


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