医療法人社団豊南会 香川井下病院 井下 謙司 理事長

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専門性とジェネラルな力両面を併せ持つ存在に

【いのした・けんじ】
1971年日本大学医学部卒業、同第二内科入局。菅野総合病院(現:医療法人寿鶴会菅野病院)、医療法人社団豊南会香川井下病院副院長、同院長などを経て、2001年から現職。

香川井下病院に、昨年月、新本館が完成した。診療科ごとの高い専門性は維持しつつ、ジェネラルな診療能力をもつ後進の育成にも力を入れる。井下謙司理事長は「ちょっとした困りごとにも、いつでも対応できる。そんな便利な病院として頼ってもらえる存在になりたい」と語る。

井下理事長2.jpg

―新本館を計画した背景を教えてください。

 1980年に建てられた旧本館を含む当院の建物。翌年に「新耐震基準」が導入されたことから、2006年、独自に耐震診断を受審。その際に、一部が基準を満たさないことが判明しました。近年の自然災害の多発を踏まえ新耐震基準に適合する建物の新築を決断。構想から5年を経て昨年10月に「新本館」が完成し、同月29日に診療を開始しました。

 5階建ての新本館は1階部分に受付、内科、検査科、救急部門など、利用者が集中する領域を。産婦人科を除く、それ以外の診療科を2階に配置しました。高齢化率が高い地域ですから、できるだけ患者さんの移動距離が短くて済む「やさしい」動線を意識した構造です。

 当院へのアクセスについても車でお越しになる方が多いことから、進入路を新たに設け、駐車場も広くするなど整備しました。

―診療面で力を入れていることは。

 ベッド数は全部で243床。診療の柱は産婦人科、循環器内科、神経難病、人工透析です。

 産婦人科は祖父の代から続く診療科。年間の分娩件数はおよそ550件です。当院がある観音寺市と、隣接の三豊市の医療機関を合わせて最多です。

 陣痛の波長に合わせて映像や音楽を流し、リラックスした状態での分娩を支援するシステム「BSS」など、新しい試みを積極的に取り入れてきたことも特徴だと思います。

 観音寺市の医療機関で常勤の神経内科専門医がいるのは当院だけです。

 香川県難病対策連絡協議会の難病医療拠点病院である高松医療センター(高松市)と密接に連携。パーキンソン病やALS(筋萎縮性側索硬化症)など、地域の神経難病の患者さんの多くを当院でカバーしています。

 血液透析のための内シャントの修復手術、人工血管移植術など、幅広い血管アクセス関連の治療を受け入れているのが血管アクセスセンターです。

 例えば、人工血管移植術の症例数は、2015年の実績で年間117件。これは国内上位の件数です。他県の医療機関から依頼され、当院の医師が現地で手術を担当することもあります。

―これからどのような人材が必要でしょうか。育成環境の整備はいかがですか。

香川井下病院外観.jpg

 2000年に施行された介護保険法の「訪問看護ステーション」の明文化は在宅医療への関心を高めるきっかけとなりました。

 それ以前から、祖父や父が大切にしてきた「地域医療への貢献」を目指して、当院では通院が困難な患者さんの訪問診療を行い、近隣の介護施設の協力病院として連携しています。

 人口が減少し、少子化、高齢化が加速する中、在宅医療の需要はもっと高まっていくでしょう。

 高度化に伴って医療は専門化、細分化が進んできました。その専門性は維持しつつも、幅広い診療能力を有したジェネラリストをもっと育成していく必要性も高まっていると思います。当院としても、人材の底上げを図って在宅部門の強化を進めていきたいと考えています。

 当院は、一般的にイメージされるような「大所帯の医局」というスタイルではありません。非常勤の医師も含めて、一人一人に「医師研究室」という個室を提供しています。

 こうした環境が医師のモチベーションアップにつながるよう、うまく活用したいと思っています。

医療法人社団豊南会 香川井下病院
香川県観音寺市大野原町花稲818-1
TEL:0875-52-2215(代表)
http://www.kagawa-inoshita-hospital.or.jp/


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