自衛隊福岡病院 松木 泰憲 病院長

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日々の診療の積み重ねが各種事態での質の高い医療に

【まつき・やすのり】
1990年防衛医科大学校卒業。2001年医学博士。米アラバマ大学バーミンガム校留学、イラク復興業務支援隊、自衛隊熊本病院長、陸上自衛隊衛生学校長、陸上幕僚監部衛生部長などを経て、2018年から現職。

 1955年に春日市に開院した自衛隊福岡病院。自衛隊の職域病院として自衛隊員とその家族を対象としてきたが、年余り前から民間の患者も利用可能となった。10の診療科、200の病床を持つ総合病院のトップとして組織を率いる松木泰憲病院長に、病院の強みと展望を聞いた。

―一般にも開かれた病院です。現状は。

松木病院長2.jpg

 自衛隊病院は陸・海・空自衛隊で全国に計拠点あります。九州・沖縄には「陸」が当院と熊本、別府、「海」は佐世保、「空」は那覇。一般の方に開かれているのは九州・沖縄で当院だけです。

 外来患者は自衛隊員とその家族が約3分の2を占めますが、隊員以外の方も徐々に増えており、特に小児科は地域に根付いている診療科の一つです。近隣の方に認知されてきている実感がありますが、今後、地域からの認知度を高めていくことが課題です。

―病院の特色や強みは。

 もともと自衛隊病院には、いざという時、外傷をはじめとする多様な疾患に対応するという役割があります。そのため救急医療に力を入れています。2007年からは輪番制で筑紫地区の2次救急を担当。近年は救急車による患者搬送も年間400件を超えてきました。大学病院など高度医療を担う病院と柔軟に連携しながら、われわれは自衛隊の専門性を発揮して貢献していきたいと考えています。

 災害時に大きな力を発揮できるのも、自衛隊病院の強みです。2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震の際には、医官(医師)らを被災地に派遣。「平成30年7月豪雨」でも本院から医官を2人派遣して救護活動に当たりました。

 九州で災害が起きた場合は、医官や看護官(看護師)などからなる救護班を1時間以内に派遣できる体制を維持しています。食事から入浴・道路啓開・輸送そして医療など多分野のスペシャリストが所属する自衛隊の一員として、事態対処に当たることが大きな強みだと思います。

 地域貢献という観点では、自衛隊の特色の一つである「訓練」が挙げられるのではないかと思います。例えば新型インフルエンザ対処訓練。感染が疑われる患者さんの帰国者外来での診察や、近隣の指定病院への移送などを想定し、県や保健所、消防関係者の方々と共同で毎年実施しています。

―今後の展望は。

自衛隊福岡病院外観.jpg

 一般の方を受け入れるようになってから、救急患者が増え、さらなる医療技術の向上につながっています。日々の診療に懸命に向き合うからこそ、災害などいざという時にも質の高い医療を提供することができると、気を引き締めています。

 また、医官の教育も重要なテーマです。若い医官を週に数回、他の病院へ派遣し、病院間で連携して教育を行っています。これからも災害時や有事に貢献できる人材を育成していきたいと考えています。

 新病院の建設計画も進行中です。基本設計はすでに終わり、この5年のうちに着工する見込み。専門性をより際立たせ、除染設備など、化学・生物・放射性物質・核・爆発物によるCBRNE災害や感染症などにも対処できる施設となる予定です。

 病床数は変わりませんが拡張性を持たせ、患者数が急激に増えても対応可能にするほか、大型の輸送用ヘリが到着できる屋上ヘリポート、免震構造など、さらに安全で安心して医療が提供できる病院を目指します。

 今年はラグビーワールドカップ、来年はオリンピックが開催され、今後国内における国際交流も一段と活発になることが予想されます。感染症などへの備えがますます重要です。地域の病院として日々しっかりと診療しながら、九州・沖縄の重要な医療拠点として災害などの各種事態にもきちんと対応できるよう、体制を整えていきます。

自衛隊福岡病院
福岡県春日市小倉東1-61
TEL:092-581-0431(代表)
http://www.mod.go.jp/gsdf/wae/kasuga/


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