「予防」と「急性期後」を支えていきたい
1978年札幌医科大学医学部卒業。デンマークビスパビア病院客員研究員、国立循環器病研究センター循環器病統合イメージングセンター長などを経て、2018年から現職。国立循環器病研究センター脳神経外科客員部長兼任。
陽子線治療施設やBNCT(ホウ素中性子捕捉療法) 治療施設を有し、福島ほか東北3県、首都圏エリアを中心に医療・福祉サービスを展開する南東北グループ。昨年10月開業のランドマークタワー「なんばスカイオ」(大阪市) に 、最新のモダリティなどを駆使した「予防」と「専門外来」を強みとするクリニックを開設した。中川原譲二院長のビジョンを聞いた。
―クリニックの特徴を教えてください。
「なんばスカイオ」9階 のワンフロアが「大阪なんばクリニック」です。南海なんば駅と直結する3階、そして1階から当クリニック直行のエレベーターが運行しています。
柱は、まず「予防健診センター」です。最新のMRIやCTなど、検査機器を充実させました。
乳がん検診には、乳房用超音波画像診断装置を導入しました。検査の精度が高いことはもちろん、乳房の形状や弾力に合わせて、圧力を調整しながらスキャニ ングが可能です。自然なフィットによってストレスを軽減します。
検査後に治療が必要となった場合は連携の医療機関をご紹介するほか、患者さんのご希望に応じて南東北グループの医療施設での陽子線治療、BNCT治療をご案内します。
国によるインバウンド政策の推進に伴って訪日外国人が増加し、「日本で検診を受けたい」というニーズが高まっています。医療機関に求められる検査の「質」は、どんどんハードルが上がっていると感じます。ぜひ、期待に応えていきたいと思っています。
―外来の機能はどのような内容ですか。
脳神経外科では頭痛、頸部痛、肩こり、めまいなどの専門外来、顔面けいれんや三叉神経痛の専門外来を開設しています。また、脳卒中の予防外来、認知症の予防外来では、専門医による適切な指導のもと、発症のリスクを低減します。
私が専門とする「もやもや病」の外来を開設していることも特徴です。
もやもや病は脳の血管が細くなることで血液が行き届かなくなる疾患。原因不明の難病で手足のまひ、言語障害などを伴うケースがあります。専門外来では再発予防、 後遺症である高次脳機能障害などに対してさまざまな側面からアドバイスします。
循環器内科は、主に狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患、不整脈、弁膜症、心筋症などをカバー。息切れ外来、弁膜症外来などを開設しています。
そのほか、最新の内視鏡システムを採用している消化器内科や、女性特有の悩みを緩和し、穏やかな生活のサポートに力を入れている婦人科、乳腺外来、整形外科、内科、陽子線外来があります。
―これからの医療に必要なことはどのようなことだと思われますか。
国立循環器病研究センターなどで高度医療の最前線を経験してきました。急性期医療の現場を通じて感じたのは、予防医療や急性期後の治療の重要性です。
例えば脳梗塞の再発の要因には、患者さんの自己管理が大きく関係しています。特に、薬剤を適切に使用しなかったために再発のリスクを高めてしまった。そのようなケースは少なくありません。
脳梗塞で倒れ、急性期病院の高度な医療によって治療する。しかし、以降のフォローアップがなかなか行き届かず、再発予防が十分でない。そんな現状があると感じています。
医師や薬剤師による介入の方法を、もっと検討していかなければならないでしょう。「急性期後の患者を診る」ための専門的な能力を身に付けた医師の育成が必要です。
超高齢社会に入り、疾患があっても「長く働き続けたい」「人生をアクティブに楽しみたい」と望む方が増えています。ここ「ミナミ」を拠点に、関西エリアの皆さんの健康を支えていきたいと思っています。
医療法人社団新生会 大阪なんばクリニック
大阪市中央区難波5-1-60 なんばスカイオ9階
TEL:06-6648-8930
https://osakanamba-cl.com/