独立行政法人地域医療機能推進機構 星ケ丘医療センター 増山 理 院長

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市民に向けて広く情報発信 心不全を理解する手助けに

【ますやま・とおる】
1980年大阪大学医学部卒業。米スタンフォード大学研究員、大阪大学大学院病態情報内科助教授、兵庫医科大学内科学講座循環器内科主任教授などを経て、2018年から現職。

 大学では教授として研究に力を注いだ。2018年10月、星ケ丘医療センターの院長に就任。運営のかじ取り役として病院全体を見渡す立場にいる。いずれの環境でも、これまで一貫して目指してきたのは「楽しい職場づくり」。どう強みを伸ばし、どんな未来を描くのか。増山理院長の手ごたえを聞いた。

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―大学との違いは感じていますか。

 これまで循環器内科分野の研究、診療、教育に長く携わってきました。院長職への就任は、まさに「まったく別の仕事に就いた」という感覚ですね。

 大学時代もそうだったのですが、私が最も大切にしてきたのは「みんながやりがいを持って楽しく働ける環境」です。そんな働き方の実現を目指すことが、生産性の向上にもつながっていくと思っています。

 ここ星ケ丘医療センターでは、およそ1000人の職員が働いています。職種や年齢はさまざまですから、それぞれの中にある「良い職場」のイメージは異なると思います。

 これから若手の職員を中心に、院内の声を拾い上げていきたいと思います。どのような病院で働きたいと思っているのか、それを実現するためにはどう行動すればいいのか。

 しっかりと議論を重ねていくための組織を設置したいと計画しています。職員が生き生きと働ける病院なら、患者さんの満足度も向上していくでしょう。

―強みは。

 診療の軸となるのは、幅広い領域に対応できる整形外科、センター機能による脳卒中治療です。また、100人近くのリハビリスタッフがいます。急性期医療から在宅復帰の支援まで、一貫してサポートできる点を広く知っていただくことが重要だと思っています。

 私の専門が循環器ということもあって、心臓疾患に対応できる体制の整備にも力を入れていきたいと考えています。今後、ますます高齢化が進む中で、より大きな課題となっていくのは心不全。何度も入退院を繰り返す人が多いのです。

 入院後に状態が落ち着いて退院しても、しばらくすると症状が出てしまう。訪問看護部門や地域の医師、高齢者施設などが協力し、在宅や緩和ケアまで考慮して、トータルで支えることが不可欠です。

 また、市民公開講座も積極的に開く予定です。4月には「チームで診る心不全」というテーマでの開催を予定しています。

 治療は医師だけで完結するわけではありません。薬剤師や栄養士、リハビリスタッフら多職種が力を合わせて対応していることを伝えます。

 「動くと苦しい」といった自覚症状に基づいた症候群のことを心不全と言います。実は、心臓の動きが悪くなっていないにもかかわらず心不全の症状が現れる「拡張不全」と呼ばれる状態も多く含まれているのです。拡張不全の有効な治療法は確立されていません。

 心不全という言葉そのものは広く知られていますが、いまだ正しく理解されていない疾患とも言えます。講座では予防法や病気の実態のほか、運動療法の有効性なども解説します。

―地域内の連携は。

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 当院が開設している開放型病床は一定程度の機能を果たしていると思っています。当院に入院している患者さんを、かかりつけ医の先生方が診察しています。開放型病床を運営していくことは、病診連携の結びつきを深めるという意味でも有効だと感じています。

 ただ、患者さんの立場を考えれば、通常の入院とは何が違うのかなど、やや分かりづらいという印象を与える制度でもあるかもしれません。

 だからこそ、まずは、かかりつけ医の先生方と患者さんの信頼関係がしっかりと構築されていることが求められます。その後押しにも努めたいと思います。

独立行政法人地域医療機能推進機構 星ケ丘医療センター
大阪府枚方市星丘4-8-1
TEL:072-840-2641(代表)
https://hoshigaoka.jcho.go.jp/


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