岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 呼吸器・乳腺内分泌外科学(外科学第二講座) 豊岡 伸一 教授

  • はてなブックマークに追加
  • Google Bookmarks に追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • del.icio.us に登録
  • ライブドアクリップに追加
  • RSS
  • この記事についてTwitterでつぶやく

研究グループ間による相乗効果が高まっている

【とよおか・しんいち】
1994年岡山大学医学部卒業、同第二外科入局。2001年岡山大学大学院医学研究科修了(医学博士)。香川県立中央病院、国立がん研究センター東病院などを経て、2017年から現職。

 1998年、日本で初めて生体肺移植を行った岡山大学外科学第二講座(現:呼吸器・乳腺内分泌外科学)。マクロな技術から遺伝子のミクロの世界まで。最先端技術を積極的に取り入れ、新たな「岡山大学発」を生み出そうとしている。

―どのような研究を進めていますか。

c-21-1.jpg

 「肺腫瘍」「乳腺腫瘍」「肺移植」の三つの研究グループがあります。

 肺腫瘍の研究グループでは、主にがんの分子生物学的機序を調べています。その一つに「液体生検(リキッドバイオプシー)」を用いた研究があります。

 ゲフィチニブ(商品名:イレッサ)などの肺がん治療薬は非常に高い効果が期待できます。ただ、投与から平均12カ月で薬が効かなくなります。その原因として、薬剤に対して耐性となる遺伝子変異が起こることが分かってきました。

 そこで、腫瘍のグループが注目し研究したのが、がん細胞で起こっている遺伝子変異を採血によって調べるリキッドバイオプシーという手法です。

 「生体組織生検(ティッシュバイオプシー)」と異なり、臓器を痛めることなく、低侵襲で調べることができます。症状が進行する前に、より早期の対処が可能になるのではないかと期待されています。

 現在、肺移植の分野での応用も進めています。拒絶反応を早期に診断するリキッドバイオプシーの研究に取り組んでいます。

 肺移植後に拒絶反応が起こると、傷んだ肺の細胞からドナーのDNAが血中に遊離してきます。肺移植したマウスを用いて、血中に流れ込んだレシピエント以外のDNA型の検出によって、拒絶反応の有無の診断につなげようという試みです。

 日本人独自の遺伝子マーカーの違いを見つけ出すことを課題に、引き続き力を入れていきます。

―2013年から2017年までは「臨床遺伝子医療学講座」教授でした。

 臨床遺伝子医療学講座が2013年に開講され、生体試料や臨床情報を保管する「岡大バイオバンク」の立ち上げや、京都大学に次いで国内2番目の「クリニカルシーケンス検査」を開始。医学研究や新薬開発を支援してきました。

 今年の4月、岡山大学病院は「がんゲノム医療中核拠点病院」に指定されました。現在はがんを主な対象としていますが、免疫抑制剤や抗がん剤などの効果や副作用の発現に遺伝子的なバックグラウンドが関わっていることは、どの疾患でも同様です。それらを解明することで患者さんにとってよりやさしい医療の提供を目指しています。

―どのような医局を目指していますか。

c-21-2.jpg

 教授就任の際、各グループにおける研究が盛んに行われている一方で、グループ間の交流をもう少し強化しなければならないとも感じました。

 そこで、グループ同士がもっと関わり合えるようにと、研究室の机の配置を変えるなど、「自然に人が集まり交流できる場づくり」に努めました。

 リキッドバイオプシーの研究も、グループが互いに刺激を与え、うまくかみ合ったからこそ成立したと言えるでしょう。異なる領域だからこそ、そこには違う視点を持つきっかけや、さまざまなヒントがあったりします。今後も新たな研究の可能性が広がっていくと思います。

 若い医師に対しては、できるだけ留学を後押ししたいと考えています。もちろん手技を学んだり、研究に打ち込んだりすることも大事ですが、外国の一流の施設で経験してほしいことは、所属した施設の「ボスそのものを学ぶこと」。

 その分野の最前線にいる人、大きな実績を築き上げた人は、他の人とは違う何かがあるはずです。ボスのやり方、考え方を近くで見て吸収することを意識してほしい。これからの医師人生に必ず役立つでしょう。

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科呼吸器・乳腺内分泌外科学(外科学第二講座)
岡山市北区鹿田町2-5-1
TEL:086-223-7151(代表)
http://www.nigeka-okayama-u.jp/


九州医事新報社ではライター(編集職)を募集しています

九州医事新報社ブログ

読者アンケートにご協力ください

バングラデシュに看護学校を建てるプロジェクト

人体にも環境にも優しい天然素材で作られた枕で快適な眠りを。100%天然素材のラテックス枕NEMCA

暮らし継がれる家|三井ホーム

一般社団法人メディワーククリエイト

日本赤十字社

全国骨髄バンク推進連絡協議会

今月の1冊

編集担当者が毎月オススメの書籍を紹介していくコーナーです。

【2018年12月の1冊】
イメージ:今月の1冊 - 86.いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書
いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書

Twitter


ページ上部へ戻る