香川大学医学部母子科学講座 周産期学婦人科学 田中 宏和 准教授

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産科医の多様な技術を身に付けられる場に

【たなか・ひろかず】
1988年香川医科大学(現:香川大学医学部)卒業、同附属病院産科婦人科助手。坂出市立病院、香川大学医学部母子科学講座講師などを経て、2011年から現職。

 香川県は、全国でもトップクラスの「周産期死亡率が低い県」だ。「優先すべきは母体の安全」という方針を掲げている香川大学には、他県の妊産婦も多く訪れる。周産期医療を中心に、田中宏和准教授の取り組みを聞いた。

―県の現状は。

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 2013年、2014年の人口動態統計で「周産期死亡率が全国で最も低い」との調査結果が示すとおり、香川県は「安全にお産ができる県」として知られています。その要因として周産期医療体制の充実が挙げられると思います。

 人口約100万人の香川県において、総合周産期母子医療センターは香川大学と四国こどもとおとなの医療センターの2カ所。地域周産期母子医療センターを高松赤十字病院が担い、周産期の重症者に対する治療体制を整備しています。

 香川県は島しょ部も多く、瀬戸内海に位置する小豆島には小豆島中央病院があります。ベテランの産婦人科医が常駐しているほか、私を含めて2人の准教授が月に2回、支援に行っています。緊急時はヘリコプターで大学病院に搬送するなど、県内完結型の周産期医療体制を構築しています。

―講座の強みは。

 鉗子分娩など多様な技術を学ぶことができるのが当講座の強みです。

 分娩中、妊産婦や胎児に危機的状況が生じ、分娩を速やかに完了させる必要がある場合に行う「急速遂娩」は、分娩全体の9〜15%を占めています。

 中でも胎児の頭に産科鉗子をかけて引き出す鉗子分娩は、胎児娩出の確実性が高く、所要時間も短いなどの利点があります。産科医には高い技術が求められます。技術を指導できる産科医が少ないことなどもあって、西日本では、十分な研修ができる施設は多くありません。

 当院では骨盤位経腟分娩も積極的に実施していますが、後続児頭の娩出に際し、鉗子分娩が使えることは大きな利点と言えます。

 当講座では、開設当初から鉗子分娩および骨盤位分娩の研修に力を入れています。技術をしっかりと身に付けるには、やはり「実践あるのみ」です。実際に現場で手技を見せて、数多く実践してもらう。その積み重ねで技術の修得につなげています。

 帝王切開後の妊娠で、胎盤が子宮下部に付着し、創部および子宮口を覆う状態になった場合、子宮摘出を余儀なくされることは少なくありません。

 そういったリスクも考慮して、当院では帝王切開の適用基準を厳密に定めています。既往帝王切開や骨盤位であっても患者さんが帝王切開を希望しない限りは、基本的に経腟分娩を適用しています。

 そのため、他の総合周産期母子医療センターと比較すると、帝王切開率は低めです。既往帝王切開後経腟分娩では、その9割前後が安全に経腟分娩に至っています。

 麻酔科や手術部の協力により、緊急帝王切開に対応するための手術室を一室確保していること、鉗子分娩などの高い技術を持った産科医が常駐していることから、このような方針を可能にしています。過去に帝王切開を経験した妊産婦さんが、経腟分娩を希望して他県からお越しになることも珍しくありません。

―若い産科医に求めるのは。

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 周産期学に限らず、何にでも興味をもって積極的に取り組む姿勢は必要な要素だと思います。

 鉗子分娩や骨盤位経腟分娩、既往帝王切開後経腟分娩(TOLAC)など、これまで当講座で受け継がれてきた技術を、途切れることなく今後も若い世代に伝えていきたいですね。

 「産婦人科は大変というイメージ」とよく言われます。どの診療科であっても、一人の医師がすべてを抱え込むことはありません。

 産婦人科だけが特別に忙しいというわけではないのです。生命の誕生に関わる周産期医療に興味を持つ医学生が増えてくれることを願っています。

香川大学医学部母子科学講座 周産期学婦人科学
香川県木田郡三木町池戸1750-1
TEL:087-898-5111(代表)
http://www.med.kagawa-u.ac.jp/~perigyne/


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