宮崎大学医学部内科学講座 消化器血液学分野 永田 賢治 准教授

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地域の肝炎患者を減らすために

【ながた・けんじ】
1991年宮崎医科大学医学部(現:宮崎大学医学部)卒業、同第二内科入局。2002年医学博士。都城病院、宮崎県立延岡病院内科医長、宮崎大学医学部内科学第二講座助手を経て、2010年から現職。

 肝疾患の治療・研究に注力するだけでなく、地域住民への肝疾患に関する啓発活動に励む永田賢治准教授。日々の診療活動について聞いた。

―宮崎大学での肝がんの診断と治療について教えてください。

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 超音波、CT、MRIでの検査を組み合わせて診断し、それでも診断が難しいようであれば、腫瘍生検を実施します。手術を伴わないラジオ波焼灼療法は内科で担当。当院でのこの療法の適用は、3cm以下の腫瘍が3個以内の場合に限っており、概ね1度に2個の腫瘍を焼灼します。

 腫瘍サイズが2cmから3cmある場合は再発率が高いので、肝動脈塞栓術をしてから焼灼療法を追加で行います。焼灼療法による当院の5 年以内の再発率は、10%から15%ですが、肝動脈塞栓術と組み合わせるとその割合は、5%から10%に低下します。

 近年、分子標的薬による薬物療法が増える傾向にはありますが、当院では現在も肝動脈塞栓術での治療が最も多く、年間70例程度を担っています。

 肝がんや肝硬変の患者さんに起こる食道胃静脈瘤の治療も、得意とするところです。県内には専門施設が少なく、緊急の出血を伴う肝炎患者は、ほとんど当院に運ばれてきます。内視鏡検査の精度を上げることで、当院に運ばれてくる年間20人から30人の急性期の食道静脈瘤患者は、いずれも救命に至っています。

―肝がんの早期発見、治療に向けての取り組みは。

 肝臓は沈黙の臓器と言われ、腫瘍の発見が遅れがちです。肝がんは再発率も高く、転移・再発防止に対する取り組みが重要です。

 まずは治療した患者さんに対して、頻回な検査による再発の早期発見を目指しています。ウイルス性肝炎の患者さんには、抗ウイルス療法を実施。患者さんの負担を考え、インターフェロンフリー療法が主流となっています。

 「肝炎医療コーディネーター」の養成にも力を入れています。行政主催の事業で、2015年から年に1回、養成研修講座を開講。看護師、保健師、医療事務関係者が主な対象。今年は40人が参加しました。

 講座では、「B型・C型肝炎に関する病態、検査、最新の治療法」「公的制度」を学び、「取り組み事例の提供」などを行います。

 過去に肝炎医療コーディネーター養成研修講座を受講した方を対象としたキャリアアップ講座も実施。そこでは、職種ごとにグループを作成し、どんな取り組みができるか、どんな取り組みをすべきかについて情報共有するグループディスカッションに力を入れています。

 他県の事例ですが、眼科で手術前にB型肝炎やC型肝炎の検査をして陽性の場合、単に医療機関への受診を促すのではなく、コーディネーター研修を受けた看護師が肝臓専門の病院を受診するように具体的に説明し、その必要性を伝えたとのこと。

 当院でも、講座で紹介した副作用の弱いインターフェロンフリーの治療薬について、かかりつけ医の看護師に紹介されたという患者さんが、受診したことがありました。地域で、肝炎に関する最新の知識を持った医療スタッフを増やし、さまざまなチャンネルを通して、肝炎の早期発見・早期治療の大切さを伝えられればと思います。

―今後の取り組みを。

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 抗ウイルス薬の開発が進み、ウイルス性肝炎の治療は飛躍的に進歩しました。一方で、非ウイルス性の肝がんに対しては、これまで以上に医師の力が試されると考えています。

 近年増加傾向にある「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」の患者さんは、多くの場合、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧を併発しています。肝臓専門医と糖尿病の専門医が連携して、肝機能低下を早期発見していくなど、病診連携に力を注いでいきたいと考えています。

宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野
宮崎市清武町木原5200
TEL:0985-85-1510(代表)
http://www.med.miyazaki-u.ac. jp/home/2nai/


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