地方独立行政法人 筑後市立病院 吉田 正 理事長・院長

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"断らない医療"で地域の基盤となる病院に

【よしだ・ただし】
1980年埼玉医科大学医学部卒業、久留米大学第2外科入局。2012年筑後市立病院院長、2013年地方独立行政法人化に伴い現職。

 2016年に災害拠点病院に指定され、2018年4月には地域医療支援病院の承認を得た筑後市立病院。市民に寄り添う地域密着型医療の現状と今後の展望について、吉田正理事長・院長に話を聞いた。

―地域医療支援病院に認可されるまでの経緯を教えてください。

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 筑後市には地域の中核となる総合病院が当院しかありません。私が目指すのは「あってよかった」病院。そのためには地域に根ざした支援病院となるのが当たり前だと思いました。

 そこで2012年、私が院長になったときに、活動目標の一つに地域支援病院の認可を加え、準備を進めてきました。

 目標とする紹介率は55%、逆紹介率は75%。2017年度の平均紹介率は55.3%、2018年9月の紹介率は56%です。逆紹介率は2017年度が72.4%、2018年9月が66.3%。逆紹介率は好調のときは80%を超えることもあります。

 地域の病院、診療所との連携を図るために紹介率、逆紹介率をともに上げていかなければいけません。そのために大切なのは、患者さんの受け入れを断らないことだと考えています。

 具体的な取り組みとして、スタッフが患者さんの受け入れを断った場合には、私のもとへ報告がやってきます。理由が分からなければヒアリングもします。救急車による搬入を断った場合は必ず報告書を提出してもらい、判断をした医師と面談をします。

 救急車には救急救命士が乗っており、患者の症状と病院の設備や機能を考慮して、ある程度、搬入先を分別してくれています。当院には脳神経外科がないことを分かっているので、脳に関する重篤な疾患が疑がわれる場合、当院に送られてくることはありません。本当に当院で診療できると救急救命士が判断した患者さんしか来ないのだからこそ、しっかりと診なければならないと思っています。

 当院は他の医療機関から紹介された患者さんの検査、手術、治療をする「病診連携」を推進しています。症状が落ちついた場合には紹介元の医療機関に逆紹介して治療を再開してもらう。「病診連携」の要となるのが「地域医療支援室」です。

 ここでは、診療所の医師から依頼を受けた患者さんについて当院の看護師やケースワーカーが審議し、受け入れます。9月の紹介人数は外来が327人、入院が145人の計472人でした。月平均は大体500人程度です。

―災害拠点病院としての活動状況について教えてください。

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 当院がこの地域の中核病院であったこと、この医療圏に災害拠点病院がなかったことから、2016年に県の災害拠点病院に認定されました。

 最近では、被災地での支援活動のほか、災害が起こったときのシミュレーションも年に1度実施しています。

 11月16日に2019年の病院の行動計画発表会がありました。この行動計画発表会を踏まえた上で12月8日には各部署の運営方針発表会を開催しています。

 来年の戦略テーマは「地域連携強化」「病院機能の充実」「救急災害対応の充実」の三つ。経営戦略会議でさまざまな資料と照らし合わせて分析し、方針を決めました。

 行動計画と運営方針の発表会は、20年以上続いている取り組みです。経営は、院長からの指示だけではうまくいきません。きちんとした戦略を立て、情報を職員全員と共有することで、一人ひとりが主体的に考え、行動できるようになる。病院全体が同じ方向を向いた経営ができるようになるのです。

 「地域連携強化」「病院機能の充実」「救急災害対応の充実」という三つの目標を掲げ、自分たちが目指す医療を貫いていきたいと思っています。

地方独立行政法人 筑後市立病院
福岡県筑後市和泉917-1
TEL:0942-53-7511(代表)
https://www.chikugocity-hp.jp/


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