【発足】AYAがんの医療と支援のあり方研究会

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希少でなおかつ領域が広い
就労、恋愛、結婚、妊娠...悩みも多彩

 15〜39歳の「AYA世代」のがん患者に対する、より良い治療や支援を目指す「一般社団法人AYAがんの医療と支援のあり方研究会」(AYA研)がこのほど発足した。理事長は、堀部敬三・国立病院機構名古屋医療センター臨床研究センター長。生存率の向上や、進学や就労、恋愛、結婚、出産、子育てといった世代特有の悩みへの適切な対応。こうした課題解決に向け、新たな連携やネットワーク構築を目指す。

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理事長の堀部敬三・国立病院機構名古屋医療センター臨床研究センター長

 「AYA」とは、「Adolescent and Young Ad ult」の略。思春期から若年成人までをAYA世代と呼ぶ。堀部理事長によると、国内のがん新規り患者のうち、AYA世代は3.7%ほど。白血病、胚細胞腫瘍・性腺腫瘍、リンパ腫、子宮頸がん、乳がんなど、がん種の内訳は多岐にわたり、年代によっても大きく変動するという。

 堀部理事長によると、AYA世代のがん患者を取り巻く課題は大きく分けて三つ。

 一つ目は、小児の領域で対応するがん種と成人領域での対応が必要ながん種があり、患者が適切な治療にたどりつくのが困難であること。二つ目は、そもそもの患者数が少ない上に、希少がんが多いため、診療経験がある医療機関、医療者が少ないこと。三つ目は、就学、就労、恋愛、結婚、妊娠、出産といったライフイベントが多く、ニーズの個別性も高いが、個々の患者の要望の把握が難しく、十分な支援体制も整っていないこと。

 AYA世代の患者は、病気の治療が生殖機能に及ぼす影響や、治療から何年も経って出てくる晩期合併症など、将来に対するさまざまな不安を抱えているにもかかわらず、十分な情報やサポートが得られていないのが現状だという。

 AYA研は、2017年度まで厚生労働科学研究費補助金(がん対策推進総合研究事業)によって実施された「総合的なAYA世代のがん対策のあり方に関する研究」の研究班のメンバーが中心となり、2018年6月に設立。医師や研究者、患者、家族など271人(12月17日現在)が所属する。

 今後は学術集会や講演会、研修会を通じて、AYA世代のがんに関する情報の発信や啓発、人材育成を継続的に実施。さまざまな団体とも連携を模索するという。

 堀部理事長は、「AYA世代のがんに関する診療、研究、支援は他の世代のがんに比べて遅れがちで"取り残された世代"だと言われてきた。この世代に合ったコミュニケーション方法の確立など、個々の医療機関だけで対応できるものではない」とした上で、「AYA世代を専門的に支えられる人材の育成にも取り組んでいきたい」と語った。

第1回学術集会 2月11日(月・祝)名古屋で

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テーマは"これからを語る"

 「AYA研」は2月11日(月・祝)、初めての学術集会を名古屋国際会議場で開く。テーマは「AYA世代がん医療と支援のこれからを語る」。

 当日は、厚生労働省健康局がん・疾病対策課の栗本景介氏が「AYA世代がん対策の取り組み」、国立国際医療研究センターの清水千佳子氏が「AYA世代のがんの特徴と課題」と題してそれぞれ基調講演。患者やサバイバーの現状やニーズについてのシンポジウムのほか、AYAがんの医療や支援に関する国際会議「グローバルAYAコングレス」の報告もある。

 堀部理事長は「医療と支援に関わるさまざまな職種の方、当事者の方が同じ目的に向かい、対等な立場で議論する場。多くの人に来場してほしい」と参加を呼び掛けている。

主なプログラム

午前の部

基調講演1:「AYA世代がん対策の取り組み」
栗本 景介(厚生労働省健康局がん・疾病対策課)

基調講演2:「AYA世代のがんの特徴と課題」
清水 千佳子(国立国際医療研究センター乳腺腫瘍内科)

午後の部

教育講演1:「希少がんをめぐる諸問題」
川井 章(国立がん研究センター中央病院希少がんセンター)

教育講演2:「AYA世代がん患者の意思決定支援」
森 文子(国立がん研究センター中央病院看護部)

日時

2019年2月11日(月・祝)午前10時~午後4時

会場

名古屋国際会議場(名古屋市熱田区熱田西町1―1)

定員

300人
※当日参加可

参加費

1万円(会員7000円)
※事前会員登録はウェブサイト(https://aya-ken.jp/)から。

問い合わせ

AYAがんの医療と支援のあり方研究会学術集会事務局 research.office@nnh.go.jp


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