埼玉医療生活協同組合 羽生総合病院 松本 裕史 院長

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"最後の仕事"の気持ちで

【まつもと・ひろし】 1984 群馬大学医学部卒業 三井記念病院 1989 国立がん研究センター 1990 群馬大学医学部附属病院1991 伊勢崎市民病院 2002 同外科部長 2003 羽生総合病院院長

 与えられた病院ではなく「自分たちの病院」に―。新病院建設をミッションとして院長に就任。2018年5月の開院まで長い年月を要した。「スタートラインに立っただけ」と言う松本裕史院長。「真の完成」に向けて歩みは続く。

―どのような病院を目指したのですか。

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 徳洲会グループである当院が開院20周年を迎えた翌年、2003年に院長に就任しました。徳田虎雄・前理事長は、私に「新病院プロジェクトは君の最後の仕事になるだろう」とおっしゃいました。

 それほどの覚悟をもって力を注がなければ、いい病院は実現できないという意味だったのだと思います。もう一つ言われたのは「地域で一番の病院を」。すべてがトップでなくとも「これなら負けない」という強みをもつべきだという助言をいただきました。

 移転先の選定に10年。開院までに15年ほどを要しました。過去、私自身が病院づくりに関わった経験も踏まえて、職員とともに各地のさまざまな病院を見て回り、意見を交わしました。与えられた病院ではなく「現場がつくる病院」にしたい。それが私の理想でした。

 全体的な方向性は示しましたが、細かな部分については各部署に一任。実際に働く人がしっかりと考えて設計に反映することが大事だと思ったからです。

―開放感のあるエントランスですね。

 正面玄関を入ってすぐのスペースに、200人を収容できる多目的ホールを設けました。定期的に医師や看護師による健康講座や医療講演(予約制)を開いており、地域の方々と交流を深めるイベントなども企画したいと思っています。

 大規模災害の発生時にはエントランスホールと多目的ホールの仕切りを外してトリアージスペースとして活用します。2系統の電源を備え、水害対策として重要な設備は2階から上のフロアに配置。自家発電装置や燃料、水の備蓄で、有事には3日間、医療機能を維持することができます。

 東日本大震災の際、首都圏では透析を受けられない数多くの患者さんが発生しました。当院がそのバックアップを担うことも想定しています。

 屋上のヘリポートは極力突起物を排し、全方位からアプローチできます。地域災害拠点病院の指定に向けて、準備を進めているところです。

 救急患者の受け入れは2階です。正面玄関の反対側に救急センターの入り口があり、外来と救急の動線を分けました。

 手術室、HCUなどを集約させ、重症患者への対応を強化しています。ハイブリッド手術室の整備もほぼ完了しました。1年以内に稼働できる見込みです。

 最新の放射線治療装置「トモセラピー」の導入によってがんの3大療法が可能になり、PET-CTによる核医学検査も年内にスタートします。緩和ケア病棟も新設。地域がん診療連携拠点病院の指定を目指します。

―今後は。

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 10年後、20年後の医療情勢を予測することは難しいのですが、新たな変化が求められるときが必ずくるでしょう。例えば手術室を増設したり、新しい棟を建設したりといったケースを見据えて、スムーズに拡張できる設計としています。

 職員がみんなで共通のテーマと向き合って苦労するという経験は、案外悪くないものです。特に、新病院をつくる機会はなかなかありません。組織を強くするきっかけになったのではないかと思います。

 イメージとしては、高度な機能を凝縮した「ミニ大学病院」です。そのぶん、患者さんの目も厳しくなるに違いありません。

 私たちは機能に見合う働きをして、まずは病院の力を100%発揮できるよう努めたい。新病院の完成はスタートラインです。

埼玉医療生活協同組合 羽生総合病院
埼玉県羽生市下岩瀬446
TEL:048-562-3000(代表)
http://www.fureaihosp.or.jp/hanyuhp/


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