医療法人あおばクリニック院長 大会長 伊藤 大樹氏

  • はてなブックマークに追加
  • Google Bookmarks に追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • del.icio.us に登録
  • ライブドアクリップに追加
  • RSS
  • この記事についてTwitterでつぶやく

第9回九州在宅医療推進フォーラム in 福岡 Nothing About Us Without Us
私たちのことを私たち抜きに決めないで ~当事者参加型の介護・福祉・医療を語ろう~

【いとう・ひろき】 1996 神戸大学医学部卒業 沖縄県立中部病院研修 2003 米ハワイ大学内 科レジデント 2006 米シカゴ・ロヨラ大学病院循環器科フェロー 2010 米カリフォルニア州サン ジョアキン病院循環器科スタッフ 2012 あおばクリニック 2014 同院長

 11月3日(土)、4日(日)に福岡市東区で開催される「第9回九州在宅医療推進フォー ラムin福岡」。九州各県から在宅医療に関わる医療従事者や自治体関係者が集まる。 大会長を務めるあおばクリニックの伊藤大樹院長に話を聞いた。

当事者の思いを尊重する意識を高めたい

k6-1-1.jpg

 九州の在宅医療の充実を図り、数々の講演者を招く勉強会です。今年で9回目を迎 えました。現在の九州の在宅医療では、24時間体制で患者を診療できる医師が不足 しています。なにより、患者中心で当事者参加型のケアが施せているかが問題です。

 今回のフォーラムのテーマは「Nothing About Us Without Us 私たちのことを私たち 抜きに決めないで~当事者参加型の介護・福祉・医療を語ろう~」です。患者さんの気 持ちを尊重した医療を提供する。そういった意識を高めたいという思いを込めました。

ヨーロッパの「在宅事情」も紹介

 1日目は「認知症フレンドリーなまちづくりに向けて語ろう」と題したシンポジウ ムを用意しました。

 若年性アルツハイマー型認知症があり、当事者団体の代表を務める丹野智文さん、 軽度認知障害と診断されデイサービスを利用したものの、自身に合うと感じられな かったことからデイサービスの事業所を立ち上げた高橋英二さん、福岡市認知症支 援課課長の笠井浩一さんをお招きし、認知症のある方やその家族が快適に過ごせる まちづくりについて話し合う予定です。

 2日目はオランダの教育に詳しい、リヒテルズ直子さんに「成熟市民社会オランダ に学ぶ~福祉における自立的選択と自立的当事者意識を育む教育~」と題してお話 しいただきます。

 来場者には世界から注目されているオランダの在宅ケア組織「ビュートゾルフ」 を知ってほしいですね。4人~12人の看護師・介護士で構成するチームで患者さんの ケアにあたり、患者一人ひとりの状態に寄り添って各チームが自己責任でケア内容 を決めるのが特徴。自立性を重んじる社会だからこそ実現できることだと考えます。

 そのほか、大阪大学の浜渦辰二先生の講演「当事者抜きの医療にならないために」 も予定しています。浜渦先生の専門は哲学ですが、ヨーロッパの緩和ケア事情に明る いため、ぜひお話をうかがいたいとお呼びしました。

 医療が発展しているヨーロッパでも、実は失敗例があります。1990年代後半に英 国で開発された終末期ケアの「リバプール・ケア・パスウェイ(LCP)」が一例です。LCPは、数日から数時間後に亡くなることが予想される患者に、看取りの一連のケア がすべて実施されているかをチェックする医療従事者向けのリストのこと。いわゆ る看取りのクリニカルパスです。

 しかし、患者の状態やLCPを適用する理由を家族に十分に説明しないケースや、患 者や家族が「やはり延命治療をしたい」と思い直しても施術できないといったケー スが起き、先進的だと考えられていたLCPの問題点が次々と指摘されました。

 医療従事者が最善だと考えたり、進めやすかったりする計画を立てても、そこに患 者や家族の思いが反映されていなければ、質の高いケアとは言えません。その点に思 いをはせる時間になればと考えています。

在宅医療がいつもベストだとは限らない

 これからの日本では在宅ケアが増えることは確実です。しかし、在宅医療だけが終 末期医療の王道だとは思いません。自宅で最期を迎えることが幸せだと一般的に考 えられていますが、それを希望しない患者さんもいるし、現実に在宅医療がベストで はないケースもあります。

 患者さんの話を傾聴して、それぞれにベストなケアを届けることが、在宅ケアチー ムの使命です。病気はもちろん、ご本人の生活や、介護者であるご家族の思いをくん だケアが福岡、九州、全国に広まればと思いますし、このフォーラムがその一助にな ればと願っています。

Program

k6-1-2.jpg

学会ポスター

シンポジウム

11月3日(土)午後3時~同5時
「認知症フレンドリーなまちづくりに向けて語ろう」

特別講演1

11月4日(日)午前9時50分~同11時10分
「成熟市民社会オランダに学ぶ~福祉における自立的選択と自立的当事者意識を育む教育~」

特別講演2

11月4日(土)午前11時15分~午後0時35分
「当事者抜きの医療にならないために」

シンポジウム:九州沖縄各県からの発表

11月4日(日)午後1時45分~同4時40分
「地域活動や在宅ケアへの当事者や地域住民または行政参加の取り組み」

会期:11月3日(土)・4日(日) 会場:なみきスクエア(福岡市東区千早4-21-45)
事務局:あおばクリニック内 TEL:092-663-2037
学会HP:http://zaitakuforum-fukuoka.com/


九州医事新報社ではライター(編集職)を募集しています

読者アンケートにご協力ください

バングラデシュに看護学校を建てるプロジェクト

人体にも環境にも優しい天然素材で作られた枕で快適な眠りを。100%天然素材のラテックス枕NEMCA

暮らし継がれる家|三井ホーム

一般社団法人メディワーククリエイト

日本赤十字社

全国骨髄バンク推進連絡協議会

今月の1冊

編集担当者が毎月オススメの書籍を紹介していくコーナーです。

【2018年10月の1冊】
イメージ:今月の1冊 - 85.看護師のための明治文学 漱石の時代の介抱・看病・看護
看護師のための明治文学 漱石の時代の介抱・看病・看護

Twitter


ページ上部へ戻る