滋賀医科大学泌尿器科学講座 河内 明宏 教授

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トップレベルの臨床力で病を治し、人を育てる

【かわうち・あきひろ】 1984 京都府立医科大学卒業 同附属病院泌尿器科 1991 名古屋泌尿器科病院副院長 京都府立医科大学医学部助手 1998 同講師 2003 同大学院泌尿器機能再生外科学助教授 2007 同泌尿器外科学准教授 2013 滋賀医科大学泌尿器科学講座教授

 設立40周年を迎えた滋賀医科大学泌尿器科学講座。就任6年目となった河内明宏教授の座右の銘は「心」。心を込めて人と接し仕事をすることが信条だと語る。一つひとつの責務に丁寧に向き合う教室を目指す。

―特長や得意分野は。

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 若手からベテランまでバランスよく人材がそろっており、切磋琢磨(せっさたくま)しています。

 一つの柱は、ロボット支援手術。今春、膀胱がんが保険適用となりましたが、その前に腎がんが認められたころから症例数がぐっと増えた。前立腺がんも合わせ、年間100件ほど行っています。今後ロボットを使った手術の精度はますます上がるでしょう。今は新しい術式の開発にも取り組んでいます。

 腹腔鏡手術も得意としており、県外からの紹介も多い。技術認定医は9人います。私は技術認定制度が泌尿器科で立ち上がった10数年前から審査基準の制定などに関わってきました。その目から見ても高いレベル。京阪神ではトップクラスと言ってよいと思います。

 研究については、膀胱がんや腎がんの分子標的診断、治療に関する研究を積極的に行い、科学研究費やAMEDなどの助成金も多く獲得しています。

 教育では、学生や若手医師をしっかり育成する体制を整えています。腹腔鏡の認定医に加え、ロボット支援手術の指導医であるプロクターは4人、がん治療認定医は4人、小児泌尿器科認定医は2人、日本排尿機能学会認定医は2人が在籍。各専門領域を丹念に指導できることも誇りです。

―泌尿器科の動向や課題は。

 高齢の患者さんが増加。今や入院患者の平均年齢は80歳近くで、上は90代。90歳で手術後すぐに回復する元気な人もいる一方、70歳で筋力やさまざまな機能が弱っている人もおり、年齢だけでは評価できません。ではどう評価するか。それに研究として取り組んでいるところです。

 先日も4人が立て続けに腎盂腎炎で入院。施設で寝たきりの方々が運ばれてくるのです。こういう患者さんの受け皿をどう整備するのかも課題です。

 一つのカギは分業化です。高度医療に関しては、今後はよりセンター化が進むでしょう。たとえば大きな手術はある一つの大学病院がセンターとして行い、他の大学病院がバックアップする。救急疾患は地域の基幹病院で対処する。増加する排尿管理が必要な人は中小の病院や介護施設などに担ってもらい、最後に訪問診療で在宅患者さんを診ていく。そこに泌尿器科医がどう携わっていくかを検討していく必要があります。

 がんは命に関わりますが、排尿は人間の尊厳にも関わるものです。いかに対処するかは、私たちの一生の課題とも言えます。

―若手の育成に際して、大事にしていることは。

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 一人ひとりの個性を見極めること。スキルも考え方も興味も違いますから、まずはしっかりヒアリングして把握する。それに対する提案力が問われます。

 例えば、内科が得意でそちらを目指したいという声に応えて透析の専門医コースを作りました。多様なキャリアパスを提案できるよう、さまざまなつながりをつくり、引き出しを増すことが私の役目です。

 医局員の休養も大切。公平に有給を取れるよう推奨しています。幸い、今年は5人が入局。しかも、そのうち2人は念願の女性です。高齢化とともに、尿失禁、骨盤臓器脱といった女性の病気も増えています。ここ何十年か女性医師が不在でしたので、非常に楽しみです。

 泌尿器科の魅力は、老若男女が対象で、しかも診断から治療まで一貫して完結できること。サブスペシャルティも多彩です。今後は、より人を増やしていくことが目標です。そのために、臨床、教育、研究のアクティビティーをさらに高めていきたいですね。

滋賀医科大学泌尿器科学講座
大津市瀬田月輪町
TEL:077-548-2111(代表)
http://sumsuro.jp/


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