名古屋第二赤十字病院 佐藤 公治 院長

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医療の受け手もリエゾンチームの一員に

【さとう・こうじ】 1983 徳島大学医学部卒業 半田市立半田病院で研修 1984 名古屋大学整形外科入局 1991 東海市民病院整形外科医長 1995 名古屋大学整形外科助手 1997 同医局長 1998 同講師 1999 名古屋第二赤十字病院整形外科部長 2012 同副院長 2018 同院長

 医療の国際化に向けた動きは愛知県でも活発化。名古屋第二赤十字病院は今年3月、東海三県(愛知、岐阜、三重)で初めて、国内では25番目となる国際的医療機能評価機関JCI(Joint Commission International)の認証を取得した。同院が目指す「世界基準」の質と安全のためには、患者も含めたチーム医療が欠かせないと佐藤公治院長は言う。

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―取得に至った経緯は。

 国内に医療機能を評価する仕組みをもたない国を中心に、いまやJCIによる認証は、世界的にも認められた「医療の質と安全」を示す指標です。

 当院は、世界から選ばれる水準の医療を提供できる病院でありたいと考えています。そのためには第三者の視点で見ても国際的な基準を満たしているべきだと思い、JCIの受審を決定しました。

 院内の管理体制や継続的な改善活動など14分野、約1200項目で評価されます。最重要項目(IPSG)として「患者確認をフルネームと生年月日で行う」といった内容が含まれているなど、審査をクリアするためには実施する側の努力だけでなく、患者さん側の理解も欠かせません。

 受審の2年前に「JCI準備室」「トータルマネジメント室(TQM室)」などを設置して、着々と準備を進めました。

 IPSGの一つ「感染対策」については、各部署にリスクマネージャーやリンクナースを配置してチェック体制を敷き、達成度を月ごとに数値で可視化。そのデータをもとにPDCAサイクルを回し、改善活動を継続させる仕組みを作り込んでいきました。

 患者さんへ還元し、その成果を職員にフィードバックする。その流れを確固たるものにしたいと考えています。

―2019年に新棟「日赤愛知災害医療センター」が完成予定です。

 大規模災害発生時は避難してくる周辺地域の人々や日赤をはじめとする救護班、DMATなどが集中し、病院が一時的に混乱することが想定されます。災害医療マネジメントに特化した新棟「日赤愛知災害医療センター」を新設することで混乱を最小限に抑え、医療機能の停滞を防ぎます。

 東海3県で大規模災害が発生した場合、愛知県庁、名古屋大学減災連携研究センターとすみやかに連絡をとり、刻々と変化する被災状況などの情報を収集。必要な場所へ災害医療コーディネーターを派遣するなど、センターが人的コントロールを担います。

 平時は医療者に向けた災害関連のセミナーや研修などを開催するほか、救援物資も備蓄します。南海トラフ地震は、いつ発生してもおかしくない状況にあるとも言われています。万が一に備えて、しっかりと建設計画を進めていきたいと考えています。

―今後は。

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 年間1万台を超える救急車の受け入れ件数は日本でもトップクラスです。高度医療と専門医療を両輪に、各診療科の横のつながりを確立することで合併症の患者さんも総合的に診ることができる。当院の強みと言えるでしょう。

 日々多忙を極める急性期病院にこそ必要なのは「チームビルディング」です。どんな状況下でも職員同士で思いやり、尊重し合おうと、常に職員に呼びかけています。

 1914年に24床で開設し、800床を超える規模となった現在まで、当院は高度急性期病院として発展を遂げてきました。

 地域の方に寄り添うというという気持ちを失わないよう、職員が患者さんとの向き合い方をもう一度見つめ直す時期に差しかかっているのかもしれません。

 JCIの認証でも重視されているように、安全な医療は医療者と患者さんが手を取り合うことで成り立つもの。患者さんを取り囲む医療ではなく、両者がリエゾン(結びつき)チームの一員になる。そんな病院でありたいと思っています。

名古屋第二赤十字病院
名古屋市昭和区妙見町2-9
TEL:052-832-1121(代表)
https://www.nagoya2.jrc.or.jp/


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