今月の1冊 - 83.古生物学者、妖怪を掘る 鵺の正体、鬼の真実

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荻野 慎諧
NHK出版208頁780円+税

 筆者は昔、福岡県の久留米市田主丸町へ「カッパの手のミイラ」を見に行ったことがある。「河童族」と名乗る所有者のご主人に「あんたも一族に入れてやろう」と言われたので、いちおう私も妖怪の仲間になった。

 「妖怪」という言葉が初めて登場したのは8世紀末に編さんされた「続日本紀」らしい。鳥山石燕の妖怪画などで姿かたちの方向性が決定づけられ、いまや漫画やアニメに欠かせない一大ジャンルとなった。

 なにやら正体不明の空想にすぎないもの。それで片付けてしまうのが妖怪に対する一般的な感覚だと思うが、「実在の生物が正体なのではないか」と考え「死力を尽くして」考察に取り組んだ古生物学者がいる。「妖怪古生物学」を提唱する荻野慎諧氏だ。

 「ツノ」のある生物にほぼ肉食はいないのに、なぜツノは人間を食らう恐ろしい鬼の象徴なのか。小僧や入道の「一つ目妖怪」は「一本足」という特徴とセットになっていることが多いが、どうも「ゾウ」の影響がちらついているようだ。気味の悪い声で鳴く「鵺(ぬえ)は、絶滅種である大型のレッサーパンダかも―。

 本書の最大の目的はイマジネーションを広げて読者と知的な遊戯を楽しむことにある。古今東西の文献を紐解き、自由につなぎ合わせて新しい可能性を見いだす。

 本書の第3章でも触れているが、「それって役に立つの?」と言われるものが人類の進歩を後押ししてきたことを忘れてはならない。

 なお、私が属するカッパは「アカハライモリ」がモデルではないかと想起されるという。そうなのか...。(瀬川)


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