宮崎大学医学部外科学講座 呼吸器・乳腺外科 富田 雅樹 病院教授

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予後不良"悪性脳腫瘍"の新治療 放射線増感性遊走阻害剤の開発

【とみた・まさき】 1988 宮崎医科大学医学部(現:宮崎大学医学部)卒業 1996 同大学院医学研究科博士課程修了 2012 宮崎大学医学部第二外科医局長 2015 同外科学講座呼吸器・乳腺外科病院教授

 リサーチマインドを大切にしながら、都市部と変わらぬ医療の提供に向け奮闘する宮崎大学医学部外科学講座の呼吸器外科グループ。今、進める肺がんの治療と研究とは。

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―宮崎大学呼吸器外科グループの取り組みは。

 地方大学の附属病院として、地域の医療水準を確保することが非常に大切だと考えます。「スーパードクター」と呼ばれるような難しい手術を次々とこなす医師も必要ですが、われわれの大学の役割は、そこではない。地方であっても都市部と変わらぬ診療や治療を自宅近くの病院で受けられる状況を整えることだと常々思っています。

 宮崎市以北の県北地域には、2年前まで呼吸器外科を備えた医療機関がありませんでした。われわれの医局はその状況の改善を目指して県立延岡病院に医師を派遣し、呼吸器外科を新設。同院では初年度から100件を超える肺がんの摘出手術が行われました。

 この医師派遣によって、県北地域に住む肺がんの患者さんやご家族の経済的、身体的負担が軽減できたと思います。「一般的な肺がん手術が自宅近くでできる」環境を提供・維持するという、大学病院の責任の一つを果たせたと思います。

―今後の肺がん治療の展望を教えてください。

 新薬の開発や陽子線治療・重粒子線治療などの先進医療技術により「呼吸器外科医を含む腫瘍外科医の仕事はだんだん少なくなっていくのではないか」と予測する医師もいます。しかし、私はそれは、違うと思います。

 確かに、近い将来、一部の早期がんに対する外科医の需要は、旧来に比べ格段に少なくなるでしょう。すでに消化管の早期がんでは内視鏡による切除が多くなっています。

 ただ、抗がん剤や放射線による治療の後に腫瘍を切除する「サルベージサージャリー」や、卵巣がんなどの薬物治療前に腫瘍を小さくする手術「ボリュームリダクションサージャリー」、「オリゴメタスタシス(少数個転移)」の切除など、がんに対する外科的治療の多様性は広がると考えられます。

 近年、喫煙者の減少とともに肺がんの罹患者数はわずかですが減少しています。その一方で他のタイプと比べて喫煙との関連が少ないとされる「肺腺がん」が増えているのは、宮崎でも全国の傾向と同じです。

 肺腺がんの治療をどう多角的に進めていくのか、外科医がどう向き合うかも、今後の肺がん治療に大きく関わると考えています。

―肺がんに対する特徴的な治療・研究は。

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 理論上、がん細胞が死滅するとされる43℃のお湯に抗がん剤を混ぜ、胸の中を灌流させる「胸腔内温熱化学療法」を行っています。対象は、胸腔内に播種がある患者さん。これによって播種病巣を死滅させるのが狙いです。

 また、全国的に採用が増えている「術中洗浄細胞診」も実施しています。肺がんを切除後、胸腔内を生理食塩水で洗い、洗浄水の中の悪性細胞の有無を調べる方法です。

 これまでの洗浄細胞診で7%の患者さんに悪性細胞を認めました。陽性だった方の5年生存率は23%。胸腔内洗浄でがん細胞を発見できても、予後改善にはまだつながっていないのが現状です。

 そこで、予後因子を見つけ出す研究に力を入れています。血液を採取して腫瘍マーカーを検出するだけでなく、日常診療で目にするヘモグロビンや血小板などの値にも注目し、解析。慢性閉塞性肺疾患や間質性肺炎の合併が予後に影響するかなども調べています。

 今後、研究を強化・継続し、診断へと応用することで、再発や転移を早期に発見し、患者さんの予後改善やQOLの維持につなげていくのが目標です。常にリサーチマインドを忘れず、患者さんを支えていきたいですね。

宮崎大学医学部外科学講座 呼吸器・乳腺外科
宮崎市清武町木原5200
TEL:0985-85-1510(代表)
http://www.med.miyazaki-u.ac.jp/surgery/kokyuki.html


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