国立研究開発法人 国立がん研究センター 中釜 斉 理事長・総長

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がん克服への動きが加速 ゲノム医療を全国へ

【なかがま・ひとし】 1982 東京大学医学部卒業 1990 同附属病院助手 1991 米マサチューセッツ工科大学がん研究センター研究員 1997 国立がんセンター研究所生化学部長 2016 国立がん研究センター理事長・総長 2018 日本癌学会理事長

 2017年度にスタートした第3期がん対策推進基本計画。その全体目標は「がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんの克服を目指す」。日本のがん医療をリードする役割が期待される国立がん研究センター。その取り組みについて中釡斉理事長・総長に聞いた。

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―就任して2年。力を入れてきたことは。

 最初に三つの重点目標を掲げました。一つ目は「ゲノム医療の推進」、二つ目は「アンメットメディカルニーズの課題の克服」、そして三つ目が「国際的な連携の強化」です。

 国民の2人に1人ががんと診断される時代を迎えています。がん患者のゲノムに基づく最適な治療や重症化予防は欠かせず、新たな薬剤の研究・開発にもつなげていかねばなりません。

 今後、国内に広くゲノム医療を提供していくための仕組みとして今年2月、厚生労働省は国立がん研究センター中央病院、同東病院など11の医療機関を「がんゲノム医療中核拠点病院」として指定。各拠点病院が連携する「がんゲノム医療連携病院」を合わせて全国111の病院でがんゲノム医療を実施する体制を整備しました。

 当センターのゲノム関連の動きとしては、今年6月に「がんゲノム情報管理センター(C-CAT)」を開設しました。

 C-CATは各拠点病院、連携病院とネットワークを構築し、全国から集まったゲノム医療の情報を集約、保管。診療の質の向上などに活用するためのシステムを確立します。

 また、シスメックス社と共同で開発に取り組んできた「がん関連遺伝子パネル」を使用した「マルチプレックス遺伝子パネル検査」がこの4月に先進医療として承認されました。

 がん関連遺伝子パネルは、がんの診療において重要な「複数の遺伝子の変異、増幅や融合を同時に解析できる」診断薬。日本人に特徴的な変異の診断に適した設計となっています。

 中核拠点病院との連携で年間205〜350症例を収集。がん関連遺伝子パネルの有効性についてデータを蓄積し、ゲノム検査の早期の保険収載を目指します。

―アンメットメディカルニーズ、国際化については。

 希少がんは治療法の開発を進めようにも、そもそも「症例数が少なく情報が不足している」ことが大きな課題です。例えば国立がん研究センターで受け入れている「肉腫」の新規の症例数は年間200例ほど。情報収集のための医療機関のネットワークづくりが第一歩だと考えます。

 がん治療に対する薬剤の開発は世界的に取り組まれており、現状、米国が先行しています。近年、ゲノムの解析が進み、例えば「アジアに多いがん」など、地域によってゲノム異常の特性に違いが存在することが分かってきました。

 アジア地域の医療者、研究者がチームを組み、新たな治療法の創出に向けて一体となるのが理想です。当院は昨年9月、日本、香港、台湾、シンガポール、韓国による新薬開発を目指したコンソーシアムを設立。アジアの機関が主導する国際共同医師主導治験などを促進します。

―大切にしていることは。

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 当センターの運営目標の一つに「患者目線を大切にする」を掲げています。そのために、毎年末、患者会のみなさんの意見を直接聞く場として、意見交換会を開いています。私たちがその1年間でやってきたことを紹介し、ご意見をいただいて、次のより良い運営に生かします。

 また、当センターも委員として参加する厚労省の「がん対策推進協議会」では、がん対策推進基本計画を策定する上での土台とするための議論を患者団体の代表者と交わしています。

 がん医療の発展には国民のみなさんの理解や協力が必要です。がんを克服できる社会を実現するためにも、私たちは「患者側の視点」を忘れてはなりません。

国立研究開発法人国立がん研究センター
東京都中央区築地5-1-1
TEL:03-3542-2511(代表)
https://www.ncc.go.jp/


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