島根大学医学部附属病院 井川 幹夫 病院長

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島根発のチャレンジを全国のスタンダードに

【いがわ・みきお】 1977 広島大学医学部卒業 同附属病院泌尿器科研修医 1978 松山赤十字病院泌尿器科研修医 1991 米シカゴ大学外科学留学 1992 広島大学医学部附属病院泌尿器科助手 1993 同大学医学部泌尿器科学講師 1994 島根医科大学(現:島根大学)医学部泌尿器科学助教授 1996 同教授 2012 同病院長・島根大学理事 2015 同大学副学長

 2012年に病院長就任。翌年の病院大改修を経て、島根大学を「地域医療と先進医療が調和する大学病院」として牽引する井川幹夫病院長。4月に3期目を迎えた井川病院長にこれまでとこれからを聞いた。

―病院長就任後に始めたことで、特に反響があった取り組みは。

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 2016年4月の高度外傷センター開設です。就任したばかりのころ、警察庁のデータを見ていて、島根県は事故1件当たりの死亡者数が多いことに気付きました。考えられる要因は救急までのアクセスが悪い、外傷の専門家が少ない、この二つ。これを何とかしなければと思いました。

 そこで、まずは外傷外科、救急外科、外科的集中治療の三つを学べる「アキュートケアサージャリー(ACS)講座」を立ち上げるところから始めました。ACSはアメリカで提唱された概念で、この講座は全国初。同時に設備も整え、昨年8月には、ハイブリッドERを備えた高度外傷センター棟が完成。重症外傷患者の治療と検査を同じフロアで実施できるようになりました。

 これらの一連の取り組みには、国内全体の高度外傷に関する知識や技術の底上げを図りたいという思いもありました。この講座には県外からも多くの医師が学びに来ています。

―今、特に力を入れていることは。

 地域の医療機関からの医師派遣要請に対して、適切に医師を派遣していきたいという思いから、2016年3月、「医師派遣検討委員会」を設置しました。派遣に関する窓口を一元化し、県全域の医療需要を考えながら医師派遣の機能を発揮すること。それが大きな役割です。

 医師の派遣について毎月開催する委員会で検討。委員には県や「しまね地域医療支援センター」といった外部組織の職員も加え、高い透明性を確保しています。

 特徴的なのが、HOMAS2(国立大学病院管理会計システム)などを活用し、データに基づいた客観的な分析を行うことです。各診療科が派遣できる医師の数はどのぐらいなのかといった数字を、論文の数なども踏まえながら決定していきます。

 こうした取り組みは全国的にも例がありません。われわれが構築したシステムが全国に展開されていくことで、医師派遣の問題を抱えている別の地域にも貢献できると考えています。

 がんへの対策としては、「がんゲノム医療センター」を設置しました。がんは臓器別に考える時代から、遺伝子異常別に分類する時代へと入りつつあります。

 つまり、診療科の垣根を越えた横断的な対策が必要なのです。こうした治療戦略、すなわちプレシジョンメディシン(精密医療)によって、島根県内のがんの治療成績の劇的な向上を目指していきます。

―今後の展望を。

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 大学病院に求められている役割は多くありますが、私は地域に優秀な人材を派遣することが一番の使命であると考えています。だからこそ、適切に人材を派遣する仕組みづくりに取り組んだわけです。

 また、高度な医療を永続的に提供することも強く求められています。患者さんが「都会ではないから」と医療の質を諦めるのではなく、他の地域に引けを取らない、あるいは分野によっては当院でしか受けられないトップレベルの医療を目指します。

 3期目の目標にしているのは、放射線治療に関して今後の道筋をつけること。各病院で研究を進めて治療体制を整えるのもいいのですが、病院ごとの得意分野をはっきりさせて共同利用するのが理想だと私は考えています。

 経営の安定化にも励まねばなりません。今は軌道に乗っていると言えますが、さらに上向かせていきたいと思っています。

島根大学医学部附属病院
島根県出雲市塩冶町89-1
TEL:0853-23-2111(代表)
http://www.med.shimane-u. ac.jp/hospital/


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