ヒトとハードからとらえる「効率化」のヒント

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ポイントは「長寿命化」 拡張性もキーワード

 新棟建設や大規模な改修を考えるなら、どのような点に留意すべきか。目指す医療の方向性、地域のニーズ、今後の変化への備え。一般社団法人日本医療福祉建築協会の中山茂樹会長は「まず明確なビジョンを」と提言する。

―「持続的な医療」を実現する上で「建物」をどのようにとらえたらいいでしょうか。

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一般社団法人 日本医療福祉建築協会
(千葉大学大学院工学研究科教授)
中山 茂樹会長
http://www.jiha.jp/

 ポイントとして挙げられるのは、まず「長寿命化」です。医療機関の経営課題が複雑化しているいま、長期的な視点に基づき、かついつ、どれだけの投資で新築や改修を決断するかを見極めることが重要です。

 資金面の考え方は、病院建築に要するトータルコストのうち、一般的にイニシャルコストに5分の1、残る5分の4が保全修繕費や光熱費、清掃費といったランニングコストです。

 地域医療構想の策定を背景に、その土地での役割や機能を明確に示すことが求められています。漠然と"身の丈に合った病院"というイメージで計画を進めるケースがありますが、職員や診療科の数などで画一的に決められるものではありません。

 個々の病院が目指す将来像を実現できる、さらなる発展に貢献するという観点で考えれば、おのずと病院建築のあるべき姿も浮かび上がるでしょう。あくまでも建物ありきではなく「ビジョンに追随するもの」という位置づけです。

 ただし、これからの医療技術や機器、あるいは働き方の変化を正確に予測し、それに合わせた建物をつくるのは難しいでしょう。改修のしやすさや拡張性など一定の「柔軟性」を有していることがますます重視されていくと思います。

―今後の動向は。

 建設費の高騰により設計・建設の発注方式が多様化しています。従来の「設計施工分離方式」に加えて「設計施工一貫方式(デザインビルド方式)」や「技術提供・施工方式(ECI方式)」などが広まっています。「コスト削減につながる」という点だけで選択してしまっては、「想像とちがう」という結果になりかねません。

 限られたマンパワーで最大限に効率的な医療サービスを提供するには、自身の医療機関の特性を理解し「焦点を絞る」ことが大切です。ムダを洗い出すことで業務のスリム化や、病院の空間のよりよい活用につながるでしょう。

 結果、さまざまな職種の円滑なコミュニケーションを生み、チーム医療の活性化も期待できる。「マグネットホスピタル」として新たな人材の獲得というメリットも期待できるのではないでしょうか。

タスクシフティングの要 事務からマネジメントまで

 医師の働き方改革で方向性の一つに挙げられる「タスクシフティング」。移管先の一つが医師事務作業補助者だ。日本医師事務作業補助研究会の矢口智子理事長は、安定的かつ継続的な医療提供体制構築のポイントを、どう見るのか。

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特定非営利活動法人
日本医師事務作業補助研究会
(金沢脳神経外科病院診療支援部部長)
矢口 智子 理事長
http://ishijimu.umin.jp/

―医師の働き方改革の「鍵」を握る職種の一つだと言われています。

 2008年の診療報酬改定に合わせてこの職種が誕生した、そもそもの理由が「医師の事務作業の負担軽減」です。一般的に知られている仕事は、診断書や主治医意見書といった文書の代筆や代行作成。これは医師事務作業補助者を採用している医療機関の多くで実施されています。

 医師は手術や診療といった専門性を要する業務に充てられる時間が長くなります。モチベーションが上がる、生産性が向上するといった効果も見られています。

 しかし、文書作成などだけが医師事務作業補助者の業務ではありません。医師が必要とする患者情報や医療情報を事前に入手して医師に伝え、スムーズな診療につなげるなど、「医師と患者」「医師と他職種」の間に入り、円滑な情報共有や連携を図るコーディネーターの役割を果たすケースも増えつつあります。

 実際、医師事務作業補助者がうまく機能している医療機関では、医師の業務効率が向上することで手術件数が増加し、病院収益がアップした事例や、チーム医療への貢献によって看護師など他職種の離職率も低下するといったメリットが出ています。

―タスクシフティングを一層進めるために、重要なことは何でしょう。

 医師事務作業補助体制加算が設立されて、今年で10年。届出施設数は2008年から約3・4倍に増加。加算新設後、診療報酬改定のたびに増点や要件緩和がなされ、採用人数は急速に増えています。

 しかし、業務内容が十分に確立されているとは言えません。医療機関によって、医師事務作業補助者が任せられる仕事の内容も大きく異なります。業務内容の統一とともに、個々のスキルアップも欠かせないでしょう。

 ビジョンをしっかりと持ち、診療関係事務のマネジメントや医療情報の共有業務を中心的に担う職種に発展していくことが医師の負担軽減、ひいては病院改革にもつながると思います。

 今、「患者さん中心の医療」という概念が医療機関に浸透し、丁寧なコミュニケーションの重要性が増しています。それぞれの事情や背景を考慮した医療の実現のためにも、私たち医師事務作業補助者が貢献できることは、まだまだあると考えています。


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