今月の1冊 - 81.オシムの言葉 増補改訂版

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木村 元彦
文藝春秋 357頁 690円+税

 2007年11月16日、イビツァ・オシムが倒れなければ、彼に率いられたその後のサムライたちは、世界とどんなふうに戦っていたのだろうか。本紙の締め切りはワールドカップ開幕日。発行の前日に、日本はコロンビアとの初戦を終えているはずだ。

 1941年、オシムは現ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボに生まれた。国内外のリーグや旧ユーゴスラビア代表で活躍。1986年に代表監督に就任し、1990年イタリアW杯では"ピクシー"ことストイコビッチらを擁してベスト8入りを果たした。ジェフユナイテッド市原・千葉の監督を経て、2006年7月に日本代表監督。通算成績は12勝3敗5分。

 オシムはときに哲学的とも評される数々の名言を残した。彼の言葉は、激動の半生を描いたノンフィクションである本書に「語録の助産夫」として登場する通訳・間瀬秀一氏によって届けられた。「監督が言ったことを伝えたはずなのに選手ができないときがある。意味は伝わっているけれど意図は伝わっていない。ということは、伝えたことになっていないんです」。

 そこで間瀬氏は「この仕事は通訳じゃない」と考え方を転換したという。「言葉を訳す力だけじゃなくて、どうしたら選手ができるようになるのかを考えた。通訳としての指導力というのでしょうか」。監督がギャグを飛ばせば絶対に笑わせる。ことわざを持ち出せば「おおっ」とうならせてやる―。

 仕事上のやり取りでは「なにゆえ、かくも話が通じないのか!」とぷりぷりしてしまうことは少なくない。その前に、自分の言葉に「魂」や「熱」はこもっているのか? 相手を動かすなら、まずは自分からということか。(瀬川)


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