神奈川県済生会横浜市東部病院 三角 隆彦 病院長

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地域で育み、資源をつなぐ医療需要に応える次の一手

【みすみ・たかひこ】 1981 慶應義塾大学医学部卒業 同心臓血管外科研究室入局 1992 済生会宇都宮病院心臓血管外科副部長 1994 足利赤十字病院心臓血管外科第2部長 2000 平塚市民病院心臓血管外科科長 2007 神奈川県済生会横浜市東部病院副院長・心臓血管外科部長 2011 同病院長

 われわれは全国から患者を集める病院ではない。だからこそ余計に、地域のニーズに応えなくては―。神奈川県済生会横浜市東部病院の三角隆彦病院長は言う。高度急性期医療を担う同院の病院長が、次に取り組もうと考えていることは地域ぐるみの人材育成と医療機関同士の連携強化だった。

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―病院の歩みと特色を。

 当院は、現在81ある済生会の病院の中で79番目に設立された比較的新しい病院です。もともとは横浜市の「よこはま21世紀プラン」に、市東部の急性期医療を担う中核病院が必要、と明示されたのがきっかけ。市の要請があった精神科医療を含めた5疾病5事業に力を注いでいます。

 特に「外傷」は当院の強みの一つです。1965年に神奈川県から「神奈川県交通救急センター」の第1号に認定され、交通外傷、3次救急を担ってきた済生会神奈川県病院から、開院時、救命救急を含む急性期部門を継承。2014年秋には「横浜市重症外傷センター」を開設しました。

 センターには交通事故を含めた重症外傷などの手術に常時対応できるよう、外科医が常駐。必要に応じてさまざまな診療科の医師が30分以内に駆けつけられるよう体制を整えています。

―心がけてきたことは。

 「一歩先のことに取り組む」。開院以来、掲げている当院の方針の一つで、私も病院長就任後、それを頭に入れて運営してきました。

 例えばがんの治療に関しては、2011年に放射線治療装置の「サイバーナイフ」を導入。循環器疾患の治療で言えば、カテーテルを使った弁置換の手術「TAVI」を2014年から実施しています。

 また、2012年にロボット支援手術を開始。以来、泌尿器科、婦人科、消化器外科で合わせて447件(2018年3月現在)実施してきました。

 高解像度3D画像を見ながら精密な手術ができるので、開腹手術と比較して、手術中の出血量が少ない、傷口が小さくすむだけでなく、腹腔鏡手術と比べても患者さんの負担は小さい。早期退院にもつながります。今年春に保険適用範囲が広がるのに合わせ、1月には「ロボット手術センター」も開設。より力を入れていきたいと考えています。

 この10年で入院患者数が2割近く増加している背景もあり、在院日数短縮による病床の回転率アップが大きな課題でした。

 現在、平均在院日数は8.5日程度。病床利用率は平均95%です。

 設立当初から、救急治療を終えて容態が安定した患者さんは鶴見区内の連携病院に受け入れてもらってきたことに加え、チーム医療の促進、低侵襲手術などに注力してきた成果が見えてきたと思います。

―課題と今後の展望を。

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 横浜市東部地域での医療の必要度は、人口動態から見て2050年くらいまで増え続けると言われています。当院だけでも患者数が1.5倍増の想定です。

 ということは、医師だけでなく看護師、理学療法士、作業療法士など医療従事者ももっと多く必要になる。この病院という枠に限定せず、地域で採用して地域で育てるという考え方へのシフトも求められるかもしれませんね。

 当院のような急性期病院での治療を終えた患者さんの受け入れ先不足という課題もあります。高齢の患者さんの場合は合併症があることも多く、在宅に戻れないばかりか、転院先も限られる。地域の患者さんが、地域外の医療機関などへ移っていかなければならない状況も出てきています。

 私たちは地域の中核病院です。使命は、この地域の医療ニーズに応えること。近隣の病院とのつながりを一層深め、協力し合って患者さんを受け止められる体制をつくっていきたいと考えています。

神奈川県済生会 横浜市東部病院
横浜市鶴見区下末吉3-6-1
TEL:045-576-3000(代表)
http://www.tobu.saiseikai.or.jp/


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