一般財団法人津山慈風会 津山中央病院 林 同輔 病院長

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県北地域に人を呼び込む魅力を維持したい

【はやし・どうふ】 1982 岡山大学医学部卒業 同第一外科入局 1984 津山中央病院 1990 香川県済生会病院 1994 津山中央病院外科 1996 同呼吸器部門部長 2001 同外科部長兼呼吸器外科部門部長 2004 同外科主任部長 2007 同副院長 2017 同病院長

 2020年までに、全国に誇れる医療サービス空間をー。「フィットネス&スパ カルヴァータ」や岡山大学との共同運用による中四国地方初の「がん陽子線治療センター」に続き、4月、第一期工事を終えた「N館」がオープン。一部が機能し始めた。

2019年8月めどに整備計画がほぼ完了

―新病棟の機能は。

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 2階に12床分の院内ICUを整備しました。現時点では4床が稼働しており、既存の救命救急センターのICUと合わせてICUは8床です。院内で重症化した患者さんなどは新病棟、救急外来の重症患者さんは救命救急センターと、症例に応じて受け入れています。

 新病棟のフルオープンに向けて、整備計画の最終段階である手術室の増築を進めています。現状の8室から11室に拡充。手術支援ロボット「ダビンチ」の導入やハイブリッド手術室、無菌室などを新設します。

 手術件数は年々少しずつ増加しており、昨年は4500件弱でした。緊急手術も多く、昨年の外科手術1200件のうち25%にあたる300件が予定外手術でした。心臓血管外科、脳神経外科、整形外科なども同様で、これらの緊急手術への対応が手術室運用の大きな課題となっています。

 人員はそろっているものの、手術室が空いていなかったり、予定手術のスケジュールを調整してなんとか受け入れたりと、8室では余裕のある運用が難しいのが現状です。手術室の増設により課題を解消し、手術件数の増加にもつなげたいと考えています。

 3階部分は将来的に14の個室で構成する緩和ケア病棟として使用する計画です。ご家族の控室やキッチンなども備えています。地域がん診療連携拠点病院である当院に岡山県北地域のがん患者さんが集まる中で、緩和ケア病棟へのニーズは高いため、精神科医や看護師などのスタッフが確保できしだい稼働します。

 現在、う回を余儀なくされている既存の手術室から新棟のICUまでの動線も来年8月に直結します。新棟の工事と並行して認可保育園も新設予定です。駐車場や道路の整備なども含めて、2019年度内に一連の整備計画はほぼ完了する見込みです。

医療インバウンドも積極的に推進中 看護師の業務支援として全国初の仕組み導入も

―働き方や意識をどう変えていきますか。

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 多少の自己犠牲は当たり前だと思っていた時代は終わり、個人のがんばりに頼っているままでは新たな人材も獲得できません。保育園の整備も働き方改革の一環と位置付けています。

 看護師の業務支援としてこの6月、ベッドサイド情報端末「ユカリアタッチ」と電子カルテを連動させたシステムを全国で初めて本格導入しました。測定した血圧やバイタルサインがすぐさまデータとして反映され、業務効率化や転記ミスの防止につながります。

 また、モニターに患者さんの注意点やその日の予定などがピクトグラム(絵文字)で分かりやすく表示され、情報共有の精度を高めます。新病棟で試験的に運用し、軌道に乗れば病院全体に広げていく計画です。

 当院では年に一度、管理職が100人ほど参加する1泊研修を実施しています。今年は働き方改革をメインにディスカッションしたほか、開業医の先生方の活動や在宅における課題などをもっと学ぼうと、介護・在宅、地域包括ケア病棟などもテーマに組み込みました。

 昨年始めた「結(ゆい)カード」も連携推進の取り組みの一つです。当院を退院した患者さんが安心して地域に戻れるよう、当院の担当医とかかりつけ医の名前などを記載したカードをお渡ししています。「地域で一緒に支えます」という意思表示であり、急変などかかりつけ医の先生が対応できない場合は、当院が責任をもって診療します。

 がん陽子線治療センターの受診者は開設から約2年で200人を超えました。5月、強弱をつけた陽子線で複雑な形状の腫瘍を「塗りつぶす」ように照射する最新の「ラスタースキャニング法」も開始しました。国際医療支援センターが中心となってアジア圏を中心に医療インバウンドにも積極的に取り組んでおり、これまで中国から陽子線治療を受けに来た方が11人います。

 岡山県北は人口減が進んでいます。高度医療、救急医療を担う当院は機能を落とすわけにはいきません。地域に人を呼び込める、魅力ある病院を目指します。

一般財団法人津山慈風会津山中央病院
岡山県津山市川崎1756
TEL:0868-21-8111( 代表)
http://www.tch.or.jp/


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