宮崎県立延岡病院 栁邊 安秀 院長

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経営健全化と良質な地域医療の継続を

【やなべ・やすひで】 1980 弘前大学医学部卒業 熊本大学医学部小児科入局 1983 八代総合病院 1990 国立熊本病院(現:国立病院機構熊本医療センター) 2002 県立延岡病院 2009 同業務担当副院長 2010 同統括副院長 2014 同院長

 2017年、外部コンサルタントを導入。宮崎県北部地域を支える地域基幹病院として、課題を明確にし、戦略的に解決していく道を模索中だ。

ー病院を取り巻く環境は。

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 当院は、宮崎県が運営する行政型の総合病院。地域医療支援病院の承認を受けているほか、災害拠点病院、救命救急センター、第2種感染症指定病院として機能する、地域の2次基幹病院です。

 カバーしている範囲は「延岡西臼杵」と「日向入郷」の2次医療圏。県内の40%の面積をカバーするにもかかわらず県内医師の15%ほどしかいないのが現状。人口10万人当たりの医師数も全国平均をかなり下回っています。

 当院の神経内科と眼科は現在休診中。放射線科は週1回、宮崎大学からの派遣で対応しています。麻酔科医も3人に減少しているため、同大学からの派遣医師に頼っています。

 医師不足を補うための経費がかさんでいます。機器更新の投資をどう捻出していくか、病院運営にかかる経費の中で無駄な部分をどう節約していくのかが、当院の大きな課題です。

 県内三つの県立病院では昨年、共同で外部コンサルトを導入。地域から求められる医療を提供しながら、業務を効率化し、指導料や加算算定、施設基準を見直すなど、収益の改善に努めました。

 公的病院として鍵となるのは、厚労省が示す地域医療支援病院としての紹介率と逆紹介率の基準をクリアできるかどうか。当院の2017年度の紹介率は86.8%、逆紹介率は98.4%と基準をクリアしていますが、この数字を維持するためには、やはり長期的戦略が必要です。

 また、DPC対象の急性期病院として、重症度、医療・看護必要度の維持も大事です。そのため、医療連携による入院日数短縮にも努めています。

 昨年度、入院患者数が満床に近くなり、新規受け入れができない状況になりました。2次医療機関として、当院での治療が必要な新規入院患者を受け入れないわけにはいきません。

 そこで、医療連携科の看護師長と一緒に、地域の連携病院を直接訪問し、現状を説明。当院での治療のめどがついた患者を連携病院で受け入れてもらう広域的な連携でこの事態を乗り切りました。

 延岡市は、一つの大企業を中心に発展してきた街で、地域コミュニティーの結束が固い。コンビニ受診が問題となった2009年、労働環境悪化に伴う医師流出に歯止めをかけようと、住民が「宮崎県北の地域医療を守る会」を結成。民間団体として活動を続けています。

 地域の医療機関の間の相互扶助精神も強いと感じています。当院での急性期治療を終えた回復期、慢性期の患者さんには連携病院へと移っていただく体制が整っています。今後もこの地域の強い連携を維持したいと思います。

ー医師・医療スタッフ不足への対応と技能向上のための取り組みは。

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 医師の流出は歯止めがかかっていません。2014年までの10年間で、当医療圏の医師は24人減少。私が熊本大学出身ということもあり、現在は、宮崎大学だけでなく、熊本大学へも積極的に医師派遣の協力依頼をしている状況です。

 看護師の負担軽減のために介護スタッフも導入。食事やトイレの介助、入院患者の高齢化に伴う細かなケアにはヘルパーの力を借りています。

 昨年、救急蘇生技術の向上を目指して、ACLS(2次救命処置)の技術習得勉強会を開催。現場主導で医師だけでなくメディカルスタッフの救急技術向上を目指しています。

 医療安全についての検討委員会は月に1回、ヒヤリハット検証会は隔週で実施。いずれも参加者の負担にならないように、配慮しながら、技術向上を図っています。

宮崎県立延岡病院
宮崎県延岡市新小路2-1-10
TEL:0982-32-6181(代表)
http://nobeoka-kenbyo.jp/


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