「働き方」のゆくえ

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「医療システムの総点検」で目指す仕組みのアップデート

 さまざまな観点から議論が進む医師の働き方改革。「働きやすい環境づくり」と「ニーズに応える質の高い医療」の両立を目指して医療機関がいまできること、留意すべき点とは何か。

◎時代に即した医療システムになるか?

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 今年2月、2019年3月の最終報告に向けて議論を進める厚労省「医師の働き方改革に関する検討会」は「中間的な論点整理」と「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」を公表。医療機関が実行すべき改革の方向性が示された。

 比較的低い国民負担で一定の質を保ってきた日本の医療システム。発展を支えてきたのは昼夜を問わず患者の対応にあたってきた医師の使命感であり、その結果として長時間労働が常態化した。

 今回の見直しの動きは、さまざまなギャップを洗い出し、医療システムをアップデートさせるための「総点検」だと位置づけることができる。例えば「応召義務」を定めた医師法が成立したのは1948年。当時と現在の医療現場の実態がかい離している部分も少なくない。

 テクノロジーが進化し、若い世代のワークライフバランスへの関心が高まる中で、これからの応召義務のあり方をどう考えるか。医師の偏在や不足、女性医師の割合の上昇などスピード感を増す医療情勢の変化に対して、いかに時代に即した体制で順応するか。

 検討会でも「限られた資源で生産性を高め、患者に安心・安全な医療を提供すること」が働き方改革の本質だと指摘する声が上がっている。医療の質や業務効率の向上、組織が発展するための契機ととらえたい。

◎自己研さんと労働のバランスに配慮を

 「勤務時間の短縮化ばかりに意識が向きがちだが、それだけでは不十分」と言うのは、2006年に全国で初めての働きやすい病院評価サービス「ホスピレート」をスタートさせたNPO法人イージェイネットの瀧野敏子代表理事だ。自身もラ・クォール本町クリニック(大阪市)の院長として臨床に携わりながら医師のよりよい働き方を考え続けている。

 忘れてはならない視点として瀧野代表は「医療者が働きたいと思える環境」の整備を挙げる。その実現のポイントとして①医療者のやりがい②ワークライフバランス③公平な処遇の三つが重要であるという。

 「仕事の満足度をどれだけ引き上げることができるか。定時で帰ることができる職場であっても、やりがいが感じられないことを理由に去ってしまう医療者は少なくありません」

 関連して「医療者の自己研さんと労働」の切り分けのバランスにも配慮が必要だ。4月、全日病が厚労省に提出した医師の働き方改革に関する要望書でも、十分な議論を求める項目として「自己研さんは良質かつ適切な医療の大前提」「自己研さんを抑制するような規律を設けるべきではない」と訴えている。

 「意欲のある若手医師にとっては、一つでも多くの症例を経験したいという思いがモチベーションの維持につながっている側面もある」(瀧野代表)

◎「小さな改革」の積み重ねが大切

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 患者のニーズは多様化し、医療と介護が密接に関係しているいま、医療機関は供給側から需要側に働きかける従来の「プッシュ型」を脱却し、需要側に応じたサービスを展開する「プル型」への転換が不可欠だと言われる。

 医師の勤務時間短縮を試みてはみたものの「想定よりも効果が低い」「経営的メリットが少ない」と結果が伴わない例もある。四病院団体協議会の調査結果(図1)からは、職員の理解を得ることが重要であることも見えてくる。

 国の調査でタスク・シフティング(業務の移管)やタスク・シェアリング(業務の共同化)には、一定の効果が見込めることが分かっている(図2)。

 まさに「分単位」レベルの小さな工夫を継続的に積み重ねていくこと。それこそが、改革成功への第一歩かもしれない。


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