長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 眼科・視覚科学分野 隈上 武志 准教授

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目の保護を最優先に最新の花粉症治療

【くまがみ・たけし】 1991 鳥取大学医学部卒業 同眼科入局 1997 同大学院修了 米ヒューストン大学研究員 2003長崎市立市民病院医長 2005 長崎大学講師 2012 佐世保市立総合病院部長 2016 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科眼科・視覚科学分野准教授

 長崎大学に籍を置く隈上武志准教授。専門は緑内障と神経眼科だ。視覚科学分野の観点から、花粉症や重症型のアレルギー性結膜疾患の最新の治療法、予防法について語ってもらった。

―花粉症による目の症状と対策について教えてください。

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 主な目の症状にはかゆみ、充血などがあり、ひどいときは白目がゼリー状に腫れる「結膜浮腫」になることもあります。軽症型のアレルギー性結膜炎である花粉症は付着した部分に症状が出る「即時型」。最良の対策は目に花粉を入れないことですが、専用の保護メガネを装着しないと防ぐことは難しいため、洗い流すのが効果的です。抗アレルギー剤の入った点眼薬を使えば、アレルギー反応を抑え、同時に目に付着した花粉を洗い流すことができます。帰宅時に水道水で目を洗う人がいますが、浸透圧の違いから角膜の上皮が傷むので注意が必要です。

 花粉症を根本的に治療する方法には微量のアレルゲンを体に取り込み続けて体を慣れさせる「アレルゲン免疫療法」があります。自宅にいながら自分で投与できる「舌下免疫療法」が主流です。治療には3〜5年の期間がかかりますが、数カ月で効果が出始め最終的には7、8割の人が完治します。

―重症型については。

 「春季カタル」「アトピー性結膜炎」「巨大乳頭結膜炎」の三つがあります。春季カタルは春から初夏に悪化する子どもに多い病気。アトピー性結膜炎は目やまぶたのひどいかゆみが特徴です。巨大乳頭結膜炎はコンタクトレンズ装用者に多く見られます。これら重症型は上まぶたの裏に乳頭という突起物ができ、まばたきをする度に黒目をこするので、痛みで目を開けられません。

 治療は抗アレルギー剤に免疫抑制剤とステロイドを併用します。治療開始直後は抗アレルギー剤をベースにステロイドで病状を抑えながら免疫抑制剤を点眼。症状が治まってくれば、ステロイドは止めます。

 ステロイドの効果は高いですが、眼圧を上げてしまう副作用を持っている。眼圧が高くなりすぎると視神経を圧迫し、緑内障を引き起こしてしまう可能性があります。恐ろしいのは医者の知らない間に眼圧が上がっているケース。ステロイドを使い始めてすぐの眼圧に問題なければ半年に1回、もしくは1年に3回、定期的に検診をして対応しています。

 ただ、ステロイドを使うとかゆみが抑えられるので気持ちが良く、患者さんによっては決められた点眼回数を超えて使ってしまうこともある。そのため、必ず副作用の説明と注意をして、規定の回数を超えて使用しないように指示しています。

―アレルギー性結膜疾患と他の病気の関連性は。

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 アトピー性結膜炎が原因でアトピー性の白内障と網膜剥離(はくり)になることがあります。アトピー素因が影響して眼球や網膜が弱くなっていることも考えられますが、ひどいかゆみで目をこすり過ぎたり、まぶたの上からたたいてしまったり、物理的なダメージで発症する場合もあります。

 アトピー患者のなかには「自分はこういう体質だから、かゆいのは仕方がない」と治療に積極的ではない人もいます。その場合は、皮膚科との連携が特に重要になります。二つの科で協力し、アトピーの症状をコントロールすることが患者の治療への意欲につながるのです。

 重症型アレルギー性結膜疾患の場合、ゴツゴツした乳頭が角膜を傷つけると、角膜のバリア機能が破綻し、細菌に感染しやすくなります。症状が治まるまでは、抗菌剤も併用しなければなりません。

 角膜は目をこすり過ぎても傷つきます。小さい子どもは自分で抑制が効かないので、特に注意が必要です。放っておくと角膜が白く混濁し、視力にも影響します。早めの治療開始や専門機関への紹介などが欠かせないですね。

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科眼科・視覚科学分野
長崎市坂本1-7-1
TEL:095-819-7200(代表)
http://www.med.nagasaki-u. ac.jp/ophthlml/


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