独立行政法人地域医療機能推進機構 人吉医療センター 木村 正美 院長

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地元の恩に報いるため地域医療の要となる

【きむら・まさみ】 1983 熊本大学医学部卒業 同附属病院第一外科入局 1990 医学博士取得 1993 国立がんセンター胸部外科研修 1996 豪クイーンズランド大学外科留学 1999 健康保険人吉総合病院(現:人吉医療センター)外科主任部長 2003 同副院長 2005 同院長

 球磨エリアで140年続く人吉医療センター。最先端の医療機器をそろえ、訪問看護やがん診療など幅広く手がける。木村正美院長に話を聞いた。

―4月に訪問看護ステーションが完成しましたね。

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 退院後のケアとして、訪問看護自体は20年ほど前から行ってきました。今回、より充実したサービスを提供するため、訪問看護ステーションを新設し、スタッフを増員しました。

 人吉医療センターの訪問看護の特色は「自宅でも病室と変わらない医療を届ける」ことです。医療保険でできる一般的なサービスにとどまらず、看取(みと)りや緩和ケア、人工呼吸器管理など、地域の中核急性期病院のステーションとして高質なケアを提供し、地域包括ケアの要となることを目指しています。

 当院の訪問看護ステーションは、訪問看護で普段の在宅療養をサポートします。患者さんの体調が優れないときやご家族が外泊するときには、当院で患者さんを受け入れます。患者さんはもちろん、ご家族も「自宅で療養できてよかった」と思えるよう、協力させていただければと思います。

―熊本で最も広い球磨エリアに加え、県外までカバーすると聞きました。

 遠くは宮崎県のえびの市、小林市や鹿児島県の伊佐市、霧島市から来てくださる方もいます。

 山間部は医療機関が少ないことが問題です。患者さんは、治療のために都市部まで出るだけで体力的、時間的、金銭的負担がかかってしまう場合が多いのです。

 そこで当院では、近隣の市町村に住む方が可能な限りここで治療を終えられるよう、設備をそろえてきました。近隣病院と競合することなく、お互いに協力していきたいと思っています。

 たとえば、当院のがん治療用のハイパーサーミア装置が必要な患者さんは当院で受け入れ、ここにはない人工心肺装置を使う手術は他院にお願いするなど、地域連携医療を実践しています。

 これまで、患者さんの要望があれば不採算部門であっても手を広げてきました。訪問看護も患者さんの声から始まったものです。禁煙外来、発毛外来なども球磨エリアで初めて導入しましたが、地域の他の病院が開始した後は、そちらに任せて競合しないようにしてきました。

 当院は、へき地診療所も運営しています。30kmほど離れた場所にある五木村診療所です。村の委託を受けて医師と歯科医、看護師、事務員を配置し、月・火・木・金曜日に診療。特定の診療科は置かず、さまざまな疾患の診断と治療にあたっています。電子カルテを本院と共有し、診療所での治療が困難な場合は診察や入院を本院が担当する仕組みです。

 高齢の患者さんは、自宅から診療所まで出向くだけでも大変なので、現在は往診をしていますが、これからはICTを駆使した遠隔医療が入ってくるのではないでしょうか。

 自宅で血圧や血糖値を測定し、データを管理し、異常があれば当院に来てもらったり、テレビ電話を利用して診察したりすることが可能になるでしょう。自宅にいながら病院の外来と変わらない診察が受けられる日が来るのも、そう遠くないと思います。

―今後の目標と課題を聞かせてください。

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 少子高齢化による人口減で患者さんが減るだろうと一般的には言われていますが、人吉医療センターでは当面、患者数を横ばいと見込んでいます。

 今後は、他の病院や過疎地域の診察所との医療連携がますます重要になると考えます。当院の前身となる公立人吉病院は140年前、地域の住民がお金を出しあって建てた病院です。これまで支えてくださった地域に報いるためにも、球磨エリア最大の急性期病院として、すべての患者さんの治療を地元で完結できるようにしたいですね。

独立行政法人地域医療機能推進機構人吉医療センター
熊本県人吉市老神町35
TEL:0966-22-2191(代表)
https://hitoyoshi.jcho.go.jp/


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