東京慈恵会医科大学附属病院 丸毛 啓史 病院長

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働く人の両立支援で地域貢献

【まるも・けいし】 1981 東京慈恵会医科大学卒業 1982 同大学院医学研究科外科系整形外科学入局 1987 同助手 1993同講師 2000 同准教授 2006 同教授 2013 東京慈恵会医科大学附属病院長

 昼間人口と企業の数がともに東京23区でトップの港区。そんな港区で唯一の大学附属病院である東京慈恵会医科大学附属病院。日本の大部分の病院が高齢化や過疎化に頭を抱える中、「働く人」が多い地域ならではの課題と取り組みとは。

◎ 21世紀をリードする大学附属病院

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 学校法人慈恵大学は、東京慈恵会医科大学医学部(医学科・看護科)と四つの附属病院、それに三つの看護専門学校を擁しています。附属病院は当院を本院として葛飾医療センター(葛飾区)、第三病院(狛江市)、柏病院(千葉県)があり、病床数は4病院合わせて2685床になります。

 それぞれの地域のニーズに配慮し、各診療科の人事の決定は附属病院四つを統括して行っています。

 私が2006年から教授を務めている整形外科学講座は、1922年に創設。国内の私立大学整形外科学講座では最も古い歴史を持ち、臨床だけでなく、基礎的研究にも注力してきました。

 問題解決のための手法や考え方を備えるために、若い時に科学的思考能力を磨くことは非常に重要です。そして研究のための研究に終わらせることなく、臨床の現場で疑問が生まれたら研究に戻り、その成果を臨床にフィードバックする「橋渡し研究」を実践しています。

 当院では、老朽化が進んだ外来棟を、2020年1月の稼働開始を目指して建て替え工事中です。

 新外来棟完成に先立ち、3月に遺伝診療部を設置しました。遺伝学的検査や遺伝カウンセリング、遺伝子治療やがんゲノム医療、遺伝性疾患を持つ患者の包括的なフォローアップを担っています。最先端の医療機器と設備を備えた新外来棟では、再生医療や未来医療を積極的に行っていきます。

 手術室などを備える中央棟・新外来棟と空中回廊と地下でつながるのが、ハイリスク分娩や24時間無痛分娩に対応した周産期医療と、重症疾患や小児外科などの小児医療に特化した「小児・周産期医療センター(仮称)」です。新外来棟と同時期の2020年1月に既設の総合母子健康医療センターの機能を強化してリニューアルしますが、2019年1月に健診部門の運用が先行して始まります。

◎働く人にやさしく

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 大学病院や大病院が多数存在する首都圏において、広く患者に選ばれる病院を目指し、先進的かつ高度な医療を提供してきました。

 一方、港区唯一の大学附属病院として、医療による地域貢献ができないかと考え、模索。その結果、数年前から積極的に地域に出ていく方向にかじを切ったのです。

 その一つが「アウトリーチ活動」。区内の小中学校に医師や看護師が赴き、若い世代を対象に、AEDによる心肺蘇生法の講習会やがん教育を行っています。

 また、「港区立がん在宅緩和ケア支援センター」の指定管理者として施設運営のほか、在宅医療の普及を目指し、地域の保健師や介護士を対象とした講習会を実施しています。

 港区は東京23区内で最も企業の数が多い地域です。そこで企業の産業医や看護師を対象とする「働く人の健康支援研究会」を2014年から開催しています。

 企業健診後に2次健診が必要な人をいかにして地域の医療機関につなげるかなど、周囲との接点が薄い産業医がゆえに抱えている課題があります。そういった産業医プレゼンスを高めつつ幅広く情報を持つ保健所や医師会をつなげるために毎年2回開催していますが、盛況で毎回300人前後が出席します。

 どの取り組みも発足当初は当院が単独で行っていましたが、現在では地域医療機関、三師会(医師会・歯科医師会・薬剤師会)、働く人を大事にしようとする港区からの賛同を得て共同で開催しています。

 これらの取り組みが働く人の仕事と治療の両立支援になれば、それこそが港区ならではの、私たちができる地域貢献だと思うのです。

東京慈恵会医科大学附属病院
東京都港区西新橋3-19-18
TEL:03-3433-1111(代表)
http://www.jikei.ac.jp/hospital/honin/


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