琉球大学大学院医学研究科 育成医学(小児科)講座 中西 浩一 教授

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日々エビデンスを求め たしかな医療を届ける

【なかにし・こういち】 1989 神戸大学医学部卒業 1990 兵庫県立こども病院 1993 神戸大学医学部附属病院小児科 1998 米ケース・ウエスタン・リザーブ大学小児科 2000 和歌山県立医科大学小児科 2016 同准教授 2017 琉球大学大学院医学研究科育成医学(小児科)講座教授

 昨年2月に教授就任。主として希少疾患の研究に注力してきた自身の経験を生かし、「患者に寄り添った医療」と「たしかなエビデンスの創出」の融合を信条に教室づくりを進めている。

―就任後の方針は。

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 研究面の強化を一つのテーマとしています。私の専門領域は小児腎臓病。たんぱくが尿の中に大量にもれ出た結果、血中のたんぱくが減少してむくみなどの症状が現れる「ネフローゼ症候群」、聴力障害や目の病変などをきたす遺伝性疾患「アルポート症候群」などに関わるエビデンスの創出に注力してきました。

 私が責任者の1人として作成した「アルポート症候群診療ガイドライン2017」をはじめ、エビデンスに基づく治療の普及に努めています。

 当教室では腎臓病のほかにも膠原病(こうげんびょう)・リウマチ領域、内分泌疾患領域など、さまざまな分野の研究に取り組んでいます。「希少疾患」の研究が私たちのキーワードと言えると思います。

 国としても近年、「診断がつかない患者さん」に対して、AMED(日本医療研究開発機構)の主導による研究プロジェクト「アイラッド(未診断疾患イニシアチブ)」を推進。琉球大学医学部附属病院は共同研究機関として「アイラッドピー(小児希少・未診断疾患イニシアチブ)」に参加し、希少・未診断疾患の解明に挑んでいます。

 希少疾患の多くは遺伝子変異に起因しています。そのメカニズムを解き明かす中で、糖尿病など、コモンディジーズの治療につながる成果が得られることがあります。現在、和歌山県立医科大学と共同で創薬を見すえた研究も進めているところです。

―人材育成については。

 今、診療のあり方は、インフォームド・コンセント(説明と同意)の概念からさらに一歩踏み込んだ「シェアード・デシジョン・メーキング(協働意思決定)」にシフトしつつあると言われています。

 小児科医が扱う疾患の幅は広く、大人と比べると慢性疾患の割合は高くはありません。時間をかけて一人一人の患者さんやそのご家族に向き合う「子どもの総合医」である私たちにとっても、非常に重要な概念だと思います。

 患者さんの立場や要望に寄り添った診療は、当教室の伝統であり強みと呼べる部分です。それとエビデンスに基づく診療をしっかりと融合させていきたい。

 その意味で、育成面ではリサーチマインドの醸成を重視しています。日々の診療の中で自然と湧くクエスチョンを研究に結び付け、自分自身で解決していく。

 「研究のための研究」は目指していませんし、義務として取り組むものでもありません。あくまで自分でやってみたいと感じることを研究の題材とするのが大切。じわりと「リサーチマインドを涵養」する。そんな教室にしていきたいと考えています。

 沖縄県は、子どもの割合が17%程度と全国で最も高く、小児科医の数も比較的充実している地域です。医療機関を隔てる壁のようなものもありません。私の夢としてはいつか、県内の小児科医が「オール沖縄」として協力し、世界に発信できるような大規模な臨床試験などを実施してみたいと考えています。

―どのような医局を目指しますか。

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 私は趣味でドラムをプレイします。よくバンドやオーケストラの演奏では、あるパートが起こした変化に対してまた別のパートが反応してさらに変化を加え、それぞれの持ち味が際立つことがあります。

 チーム医療とも通ずる気がするのです。1曲を通してずっと楽器を弾き続ける人、数回だけシンバルを打つ人ー。仕事の内容は違うけれど、それぞれが役割を果たすことで心地よい音楽になる。それを理解し、臨床、研究で忙しくとも毎日が楽しい。そんな医局でありたいですね。

琉球大学大学院医学研究科育成医学(小児科)講座
沖縄県中頭郡西原町上原207
TEL:098-895-3331(代表)
http://www.ryukyu-pediatrics.jp/


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