医療法人海秀会 うえむら病院 上村 哲 理事長・院長

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妊娠・出産・育児・検診までトータルでケア

【うえむら・さとし】 熊本マリスト学園高校卒業 1988 久留米大学医学部卒業 沖縄県立中部病院 2001 医療法人登誠会諏訪マタニティークリニック 2002 医療法人海秀会うえむら病院 2008 同理事長・院長

 沖縄県の2016年の出生数は約1万7千人。出生率は全国1位を長年維持しているものの30年前と比較すると約4千人減少した。少子化の中で求められる産婦人科病院の役割とは。

ー沖縄市内から中城村へと移転した経緯は。

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 沖縄市内にあった前病院は築45年と老朽化。このため移転を計画し、土地探しから購入まで20年ほどをかけて、約2500坪ほどの土地を市内に取得しました。

 ところが、その移転計画がとん挫。困っていた矢先、中城村の村長がお越しになり「地域の核となる病院を村内に」と誘致され、2015年に移転しました。

 移転前、当院の分娩数は年間979件でしたが、移転後は1200件と20%以上増えました。沖縄県全体では出生数が減少していますが、新病院のある地区は土地開発が進み、村が「子育てしやすい町」を打ち出していることもあって、若い世代が多く移住している地域。出生数が右肩上がりで増え、子どもの増加で学校も新設されています。

 旧病院から10㎞程度離れた場所への移転は不安でしたが、当地の将来性を考え決断したのは間違っていませんでしたね。当院がある中部医療圏だけでなく、医師の高齢化などで分娩施設が減少している北部医療圏からの患者さんも増えています

ー院内の特徴を。

 病院は5階建てです。従来の病院にはない落ち着いた内装でシティホテルのようなイメージにしました。1、2階は一般外来や小児科があります。3、4階が病棟で60床。北側はオーシャンビューで病室からも太平洋を一望できます。

 5階には患者さんや地域の方が利用するレストランを造りました。妊産婦が講演会を受講したり、運動したりするための"マミースタジオ"というスペースもあります。

 「リプロセンター」では私の専門である不妊治療を手掛けます。子どもがほしいけれどできない患者さんの心情に配慮し、センターの出入口は産科や小児科の患者さんが多い病院玄関とは別に設けました。現在、年間に約500件の体外受精を実施しています。

 女性の妊娠・出産・育児までトータルでしっかりとケアしていきたいというのが当院の思いです。将来的に拡充したいのは女性検診です。現在実施している子宮がん検診に加え乳がん検診にも取り組み、女性の一生を支えたいですね。

ー沖縄県は低出生体重児の出生率が高いそうですね。

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 本県は全国平均よりも高く、10%から12%です。大きな原因の一つが37週未満の出生、いわゆる早産。前職は県立病院勤務でしたので開業医から送られてくる早産を受け入れる立場でしたが、その頃から早産の多さは課題でした。多くの方は「自分は大丈夫」だと思っていますが、対策を講じなければ10人に1人は早産の可能性があります。

 当院では定期健診での一般的な内診に加えて、経膣エコーを7、8年前から全例に毎回実施。すると低出生体重児の出生率は約3%に減少しました。この数値をより下回ることを目標にしています。

 早産で傷つくのはほかでもない母親です。「小さく産んでしまってごめん」と自分を責め、産後のメンタルにも影響があります。併せて赤ちゃんも身体機能が未熟なためNICUでの治療が施されます。

 また、県内の公立病院はNICUが満床状態で、重症度が高い赤ちゃんが医療を受けられないという事態にもなりかねないのです。早産が少しでも抑制されれば公立病院の人もマンパワーを奪われません。

 当院では、子宮口が開き始めるなどの変化があれば内服を始めて自宅安静。そそれでも抑えられなければ入院になります。早く見つけて、早く対応すれば早産は防げるものだと考えています。母子のためにも県全体で対策を考えていく必要があると思います。

医療法人海秀会 うえむら病院
沖縄県中頭郡中城村南上原803-3
TEL:098-895-3535
http://www.uemura-hp.or.jp/


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