日本泌尿器科学会 理事長 神戸大学大学院医学研究科腎泌尿器科学分野 藤澤 正人 教授

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学ぶ意欲を尊重し専門医を増やしたい

【ふじさわ・まさと】 1984 神戸大学医学部卒業 1990 米ThePopulation Council ,Center for Biomedical Research留学2002 川崎医科大学泌尿器科教授 2005 神戸大学大学院医学研究科腎泌尿器科学分野教授 2015 日本泌尿器科学会理事長

 第13代理事長として、日本泌尿器科学会を率いる藤澤正人教授。新専門医制度移行に対する見解を聞いた。

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―新たな制度に対する受け止めを。

 各学会がほぼ管理した上で、機構が認定する内容で、学会が主体性を持てたのはよかった点です。当学会としては、取得すべき講習項目、単位数以外プログラム全体に大きな変更はなし。ただ以前より必修講習が増えたので、eラーニングを作ったり、ウェブで講習が受けられるようにしたり、単位を取得しやすくなる工夫をしています。

 外科で利用している外科手術・治療情報データベース「ナショナルクリニカルデータベース(NCD)」を来年からは泌尿器科でも使用する予定。各自が登録して手術経験を管理し実績の証明などに利用します。

 研修プログラムは大学が中心。大学以外の病院単位で作成しているプログラムは少なく、全国でも五つ程度。多くの専攻医は大学と関連を持ちながらキャリアアップしていくことになるでしょう。

 全国の募集枠532人に対し、1次募集で集まったのが247人。最終的には、昨年より21人多い275人を採用しました。各都道府県の受け入れ数は、ここ数年の採用実績に応じて決めましたが、超過が3〜4カ所ありました。都市部以外は定員を増やして全員採用にしています。

 気がかりなのは、都市部の東京、神奈川、愛知、大阪、福岡は過去5年間の採用実績の平均値を超えてはならないというしばり。1次募集で大阪と福岡で各1人、2次募集でも東京が1人定員を超えたので他県に移ってもらいました。泌尿器科の専門医取得は、内科や外科のような二階建てではなく一階のみですので、制度移行の影響はあまりないと言えます。

―機構に望むことは。

 都市部の定員数の設定条件を再考してほしい。指導医の数に応じて採用できる仕組みのはずなのに、過去5年の採用実績数で無理に抑えるのはいかがなものか。仮に都会に専門医が増えたとしても、いずれ違う場所で働くかもしれませんし、まずは不足している診療科の専門医を増やすほうが先決だと感じます。

 学会ではサマースクールやウインターセミナーなどを通して一生懸命リクルート活動していますが、定員のみが理由で応募者を逃すのは残念なことです。

 採用が多い都道府県は、いずれもアクセスのいい東海道・山陽新幹線沿線にあります。北海道が9人とやや多いですが、10人を超えているのは東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫、広島、岡山、福岡です。

 若い子が都会に集まるのはメリットがあるから。症例が多い、経験豊富な指導医がいる、病院が大きくてきれいなど理由はさまざま。これは仕方がないことです。むしろ教育の機会を失わせない、よりよい教育を受けさせる、それを第一に考えるべきだと思います。

―神戸大学のプログラム策定で重視したことを。

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 どの領域もくまなく研修できるよう、400床〜600床で指導医が最低3人いるところを研修施設に選定。大学を含め11カ所でロボット支援手術ができます。泌尿器科は外科的・内科的な要素が融合していますが、専攻医の間は泌尿器外科の診療に力を入れるプログラムを策定しました。

 基本的医療、先端医療ともに、ある程度ローテートしても継続的にキャリアアップできる仕組みを構築。領域は、がん、腎移植、生殖医療、小児、排尿障害、結石、尿路感染症などさまざまで、症例も豊富。どの診療も漏れのないように教育します。

 専攻医に希望するのは「サージェリーサイエンティスト」、考える外科医であってほしいということ。専門医としての基盤を築く数年間は、量的にも質的にも十分な環境で貪欲に学ぶことが不可欠です。知識と技術を体得して、成長していってほしいですね。

神戸大学大学院医学研究科 腎泌尿器科学分野
神戸市中央区楠町7-5-2
TEL:078-382-5111(代表)
http://www.med.kobe-u.ac.jp/uro/


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