日本整形外科学会 理事 島根大学医学部整形外科学教室 内尾 祐司 教授

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試行錯誤を繰り返して成熟した制度に

【うちお・ゆうじ】 島根県立横田高校卒業 1986 島根医科大学医学部卒業 1998 英リーズ大学留学 2002 島根医科大学整形外科学(現:島根大学医学部整形外科学教室)教授

 新専門医制度による研修が始まった。日本整形外科学会理事の一人、内尾祐司・島根大学医学部教授は、「問題点を出し合い、解決することでより良い制度にしていきたい」と語る。

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―新専門医制度への移行の意義をどう考えますか。

 私は2年前から日本整形外科学会の新専門医制度の委員をしています。学会としては、およそ30年前に専門医制度を始め、筆記試験と口頭試問に加えて、臨床経験や症例のレポート提出などで整形外科医の質を担保。その他の学会も、それぞれの方法で専門医を育成してきました。

 ただ、各学会独自の認定方法では、質の標準化を図ることが難しい。患者さんから見てもわかりやすく信頼できる制度への移行が求められたのです。

 そこで、一定の知識基準、技術基準を設けて、さらに第三者機関が認定する新専門医制度が作られました。公的な第三者が「医師の質」を担保する。この制度は、特に患者さんにとって、なくてはならないものだと思います。

―新制度に向けて、基幹施設としての準備をどのように進めてきましたか。

 整形外科は、膝、腰、肩といった「部位」を診てしまいがちです。しかし、患者さんそれぞれの日々の暮らし、家族の中での役割などに目を向けなければ、本当に必要な治療はできない。そこで、疾患のあるパーツだけではなく、全人的に診ることができる医師を育てるプログラムを理想に掲げました。

 専攻医には、大学内での研修も大事ですが、地域医療も経験し、地域の実態やニーズを肌で知ってほしいという思いが強くあります。そこで、新制度上必要とされる6カ月を大きく上回る2年間、地域の関連病院をローテートして学ぶ仕組みを整えました。

―初年度の受け止めを。

 過去、県内の整形外科の後期研修医は0人から2人程度。今回は5人でした。「6人くらいはほしい」と考えていましたので、希望に近い数字で喜んでいるところです。

 ただ、大学内にいる医師だけではなく関連病院へ派遣する医師の数などを考えると、まだまだ足りないのが実情です。島根は整形外科の開業医が少ないため、地域の中核病院も充実させなければなりません。大学も関連病院も双方がしっかりと機能するよう、努力を続けたいと思っています。

―今後、大事になってくることは何でしょう。

 島根県は東西に長く、山間部や離島もある県です。高齢化率は30%を超え、全国の都道府県で3本の指に入る高水準。今後、65歳以上の割合が4割を超えていくと、高齢者の運動器の障害が診療の中心になっていくことでしょう。

 年齢が高くなると併存疾患がある人も増えるため、手術のみならず、内科的な治療にもコミットメントする必要が出てきます。医師の高齢化もあり、地域によっては、確実に人が足りなくなるはずです。

 今後、重要なのは「途切れさせない」こと。多くなくてもいいので毎年コンスタントに専攻医が集まることで、技術や知識だけでない、多くのことが受け継がれていきます。

―新制度の展望は。

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 新専門医制度については、専攻医の都市部集中による地域偏在などが懸念されてきました。ただ、さまざまな課題は、プログラムの運営方法を工夫することで解決できると思っています。

 とにかく今は立ち止まらず、「トライ&エラー」を繰り返していくことです。良い制度というのも、最初から完全であることは極めてまれ。試行錯誤の中で少しずつ出来上がっていくものです。問題点があれば出し合い、改善しながら、関わる人みんなで成熟させていく。「良い制度にするのだ」という強い思いと、実際に行動する姿勢が大事なのだと思っています。

島根大学医学部整形外科学教室
島根県出雲市塩冶町89-1
TEL:0853-23-2111(代表)
http://www.med.shimane-u.ac.jp/orthop/


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