日本形成外科学会 理事 福岡大学医学部形成外科学講座 大慈弥 裕之 主任教授

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クリエイティブで前向き 魅力を伝えていきたい

【おおじみ・ひろゆき】 1980 福岡大学医学部卒業 1981 北里大学医学部形成外科 1985 神奈川県立こども医療センター1990 福岡大学医学部整形外科 1999 米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院留学 2005 福岡大学病院形成外科・美容外科教授 2007 同医学部形成外科学講座主任教授 2015 福岡大学副学長

 QOL、アンチエイジングへの関心の高まりとリンクして、「傷の専門家」である形成外科医の活躍の場が広がっている。日本形成外科学会理事も務める福岡大学・大慈弥裕之主任教授が考える「専門医像」を伝える。

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―求められる役割は。

 形成外科が扱うのは大きく「外傷」「先天異常」「再建外科」「美容外科」の4領域です。外傷ですと以前は指の切断、やけどといった急性の外傷が多くを占めていましたが、労働環境の安全対策などが進んだ結果として減少。代わりに超高齢社会の影響もあって、褥瘡(じょくそう)や糖尿病性足潰瘍などの慢性の創傷が増加傾向にあります。

 先天異常であれば顔や頭の変形、がんなら乳房再建など、形を整えたり、作り直したりすることが私たちの役割です。日常生活を取り戻すためには、表面的なものだけでなく、ちゃんと食事を取ったり、歩けるようになったりと機能を回復させることも求められる。高い技術によって、いかに「傷や形をきれいに早く治すか」が重要です。

 医療の進歩で多くの疾患が克服できるようになり、患者さんは社会復帰を目指したり、QOLの向上を重視したりするようになってきました。医療のレベル、経済の発展と形成外科は密接に結び付いています。日本における形成外科の歴史が本格的に始まってからおよそ60年。比較的、若い領域です。まさに現代のニーズに応える診療科と言えるでしょう。

―専門研修プログラムの概要は。

 1年目には「傷をきれいに治す」ための基本的な部分を習得します。術前、術後の患者さんの写真の撮り方にしても、しっかりとトレーニングしなければ身に付きません。

 2年目には外傷や先天異常などの多岐にわたる症例経験を重ねます。3年目は顕微鏡下でのマイクロサージャリーをはじめとする高度な手技を学び、4年目、自身が主体となって手術に臨みます。

 「手術で結果を出せる医師」の育成を一つの方針としています。例えば外径が0.5mmの血管を縫うとき、指先は数十ミクロン単位で動かしている。非常に繊細な手技を特徴としています。

 当大学を基幹施設として福岡、熊本、山口の医療機関と連携施設群を構成しています。都市部ではある領域の診療に特化することもできますが、そうでない地域では、患者さんの年齢層も疾患の傾向もかなり違います。形成外科はあらゆる年齢層をターゲットとしていますから、一つの病院に身を置いただけでは一人前の専門医になることはできません。

 時代の流れとして象徴的なのは加齢に伴う眼瞼下垂の治療、あるいはしわ、たるみの改善などアンチエイジングへの貢献が期待されていることです。美容領域の健全化は課題の一つ。日本形成外科学会では、数年後を目指してサブスペシャルティに「美容外科」を加えるべく検討しています。

―形成外科の魅力は。

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 新たなブレークスルーと関連していることでしょうか。1980年代から重症熱傷の治療に培養表皮を取り入れ、近年では脂肪組織を用いた乳房再建の研究も進むなど再生医療にも積極的です。

 女性医師の活躍の場も広がるでしょう。ライフイベントを経ながらキャリアを継続できるよう、福岡大学では博多駅クリニックでの短時間雇用制度も整えています。現在は美容領域が中心ですが、保険診療での形成外科の診療実績も伸ばしていきたいと考えています。

 生後間もなく、私が口唇口蓋裂の手術を担当し、その後18年間にわたり診療してきた患者さんがいます。先日、「今日で治療は終わりですよ」と告げると、母親は涙を流していました。

 形成外科はクリエイティブで前向きな診療科です。海外のように、志望する医師が多く、人気の科の一つに数えられるようになりたい。それだけの魅力が十分にあると思っています。

福岡大学医学部形成外科学講座
福岡市城南区七隈7-45-1
TEL:092-801-1011(代表)
http://www.med.fukuoka-u.ac.jp/plastic/


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