医療法人スミヤ 角谷整形外科病院 角谷 正文 理事長

  • はてなブックマークに追加
  • Google Bookmarks に追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • del.icio.us に登録
  • ライブドアクリップに追加
  • RSS
  • この記事についてTwitterでつぶやく

低侵襲医療の追求で地域医療に貢献する

【すみや・まさふみ】 和歌山県立耐久高校卒業1976 和歌山県立医科大学卒業 1978 同産婦人科学教室入局 1985 有田市立病院産婦人科医長 1989 医療法人スミヤ角谷整形外科病院 2014 医療法人スミヤ理事長

 日本初の内視鏡下椎間板ヘルニア摘出術を行った角谷整形外科病院。先進的な技術を積極的に導入する風土は開院当初から根付いていた。「患者さん一人ひとりの心に届く医療とケア」を追求し、和歌山県の整形外科診療をけん引し続ける。

ka4-1-1.jpg

◎これまでの歩み

 1971年に医師3人、看護師6人の角谷整形外科病院が開院し、1978年に医療法人スミヤとして認可を取得しました。1979年には和歌山県下の私設病院では初のペインクリニック(麻酔科)を開設。1980年には京都大学の協力を得て、これまた和歌山県で初となる形成外科の診療を始めるなど、当院には「県内初」がたくさんあります。

 医師は大学を通じて日本のみならず、台湾や香港、フランスといった世界各国から受け入れています。より多くの知識・技能を習得してもらうために、外国人医師による特定の医療行為を認める厚生労働省の「外国人臨床修練制度」の認可を受けて、留学生にも手術や診療に積極的に参加してもらっています。

 1982年には、これも和歌山県で初となる「音声言語治療センター」を開設し、形成外科で治療を受ける口唇口蓋裂の患者の言葉の訓練を開始。同年には「スポーツ科学センター」を開所し、スポーツ整形外科にも力を入れ始めました。

 幅広い診療を展開していく中で病院が狭小化。そこで1989年に新病棟(現在の南棟)を建設し、病床をそれまでの46床から130床まで増床しました。

 1998年に訪問看護ステーションを、その翌年には在宅介護支援センター、居宅介護支援事業所、訪問介護事業所を開設。2000年にそれら在宅支援部門を「スミヤ在宅ケアセンター」として組織化しました。整形外科に限らず治療を終えて在宅に復帰した方や要介護者が、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるようにサポートしています。

◎治療の特長

 1998年に、当時和歌山県立医科大学に在籍していた吉田宗人院長が、全国に先駆けて内視鏡下脊椎板ヘルニア摘出術を当院で実施しました。それ以降「脊椎内視鏡下手術」「関節鏡視下手術」「顕微鏡下手術」といった最小侵襲手術法を積極的に採用しています。

 当院には現在、非常勤を含めて47人の医師が在籍し、診療しています。

 特に脊椎脊髄疾患における内視鏡下手術の症例数は累計5000件を超えるなど日本でもトップクラスの実績です。2017年は脊椎内視鏡下手術444例、従来通りの切開手術を行ったのが36例と、脊椎脊髄手術のうち9割以上を内視鏡下手術が占めています。

 細かい神経や血管が集まる箇所を手術する場合は、肉眼では見にくいため手術用双眼顕微鏡を用います。このような鏡視下手術と呼ばれる手術も当院では多く行われています。昨年1年間で関節鏡視下肩関節手術119例、関節鏡視下膝関節手術109例、鏡視下手根管開放術24例を行い、いずれも年々増加傾向にあります。

 和歌山県内に14人いる日本整形外科学会の認定脊椎内視鏡下手術・技術認定医のうち4人が当院の医師。複数所属する特長を生かし、施術が広範囲に及ぶ脊椎内視鏡下手術においては複数人で同時に手分けして行う「タンデム手術」を実践しています。

 これにより手術や麻酔の時間が短縮し、患者さんの身体的負担が軽減され、合併症の発生を防ぐことにもつながっています。タンデム手術を実施している医療機関は和歌山県内でも和歌山県立医科大学と当院の2カ所のみで、内視鏡の特色を生かした全国的にも新しい取り組みです。

◎リハビリ部門の充実

 最小侵襲手術法では手術の傷あとが従来の切開法よりも小さく、骨や筋肉を大きく削ることはありません。入院期間はこれまで3週間程度を要していたのが4〜7日で退院することが可能になりました。患者の中には、手術した当日から自立する人もいるほどです。

 病院の稼働率も大幅に上昇。それにより平均在院期間が短縮し、手術した患者だけで130床を維持していくことは難しくなってきました。そこで2006年、130床のうち60床を移譲して、角谷リハビリテーション病院を新たに開院しました。

 角谷リハビリテーション病院では、当院に限らず地域の急性期病院での治療を終え、在宅復帰に向けてリハビリを行う患者を中心に診療しています。

 高齢化率29.2%と全国の流れに漏れず和歌山市でも年々高齢化が進んでいます。角谷リハビリテーション病院では昨年心臓リハビリテーションを開始。循環器疾患や高齢が原因で心臓が弱った方の低下した運動能力を高め、支障なく安全に社会生活を送れるようにすることが目的です。当院からも、過去にステント留置術を受けた患者などがいれば積極的に紹介しており、患者数は増加傾向です。

 当院において麻酔科のもとで行う手術件数は2017年の1年間で1168件と決して少なくありません。しかしほとんどの方が最小侵襲手術により1週間弱で退院していくため、病床を移譲したことで130床から70床に減床した現在でも満床に近づけるのは難しい状況です。今後は研修医も含めて医療者を多く確保し、手術件数を増やし、病床の占床率向上を図っていきたいと考えています。

◎スポーツ整形に対する取り組み

ka4-1-2.jpg

 和歌山県体育協会と協力して、地域の高校・大学における各種運動競技大会や国体選手に帯同するドクター・スポーツトレーナーとして医師や理学療法士、作業療法士、アスレチックトレーナーを派遣しているほか、県や競技団体からの要請があれば地域で行われる駅伝大会に当院の看護師を派遣するなどして、病院全体としてスポーツ外傷に対応しています。

 当院の整形外科医、南貴雄医師が和歌山県で活動するサッカーチーム、「アルテリーヴォ和歌山」のスポーツドクターをしていることもあり、同チームの選手をはじめ、運動機能障害で当院を受診する患者も多い。スポーツ活動中に発症しやすい前十字靭帯(じんたい)損傷に対する再建術は2017年の1年間で30例行いました。

 限られた人的資源の中で院外のスポーツ行事に医療スタッフを派遣することは病院運営上、容易なことではありません。しかし、スポーツがつないだ多くの縁とスポーツ整形外科に尽力してきた当院の伝統をこれからも受け継いでいきます。

◎今後の方針

 当法人の目下の目標は「社会医療法人として認定を受けること」と「医療関係者の人材を確保すること」です。和歌山県は看護師をはじめとして医療者不足が深刻で当院も例外ではありません。優秀な人材を確保し、安定的で持続可能な病院運営を目指します。

 私は産婦人科医として13年間務めた後、博士号を取得してから整形外科に転向しました。私のように他の診療科を専攻していても整形外科に興味がある、または整形外科で地域医療に貢献したいという方を当院では求めています。国内トップクラスの最小侵襲手術と筋、腱、骨、関節外科、脊椎・脊髄外科、スポーツ整形、形成外科と多岐にわたる運動器疾患をメインとする当院に魅力を感じ、共に働きたいという人材が集まってくれたらうれしいですね。

医療法人 スミヤ 角谷整形外科病院
和歌山市吉田337
TEL:073-433-1161(代表)
http://www.sumiya.or.jp/


九州医事新報社ではライター(編集職)を募集しています

九州初の地下鉄駅直結タワー|Brillia Tower西新 来場予約受付中

九州医事新報社ブログ

読者アンケートにご協力ください

バングラデシュに看護学校を建てるプロジェクト

人体にも環境にも優しい天然素材で作られた枕で快適な眠りを。100%天然素材のラテックス枕NEMCA

暮らし継がれる家|三井ホーム

一般社団法人メディワーククリエイト

日本赤十字社

全国骨髄バンク推進連絡協議会

今月の1冊

編集担当者が毎月オススメの書籍を紹介していくコーナーです。

【今月の1冊, 今月の一冊】
イメージ:今月の1冊 - 88. AI vs. 教科書が読めない 子どもたち

Twitter


ページ上部へ戻る