医療法人 啓仁会 豊川さくら病院  髙岡 徹 院長

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ありがとうの気持ちで地域医療を考える

【たかおか・とおる】 1988 名古屋大学医学部卒業 1991名古屋大学医学部附属病院脳神経外科入局 2014 医療法人啓仁会豊川さくら病院リハビリテーション科部長2017 同院長

 専門性の高いリハビリテーションとポストアキュートの機能を追求し続ける豊川さくら病院。「病院のことを多くの人に知ってもらいたい」と話す髙岡徹院長に、病院の魅力を語ってもらった。

◎療養型からリハビリ主体へ

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 1973年に、病床数24床の「礒病院」が開院し、2013年に現在の病院名になりました。

 2014年に回復期リハビリテーション病棟を立ち上げたのを機に、これまでの療養型病院としての機能からリハビリを軸とした診療へとかじを切りました。

 現在はポストアキュートを担う病院として、急性期病院を退院して在宅復帰までにリハビリを要する患者を多く受け入れています。

 一般病棟では急性期病院からの患者以外にも、同じ法人内の介護老人保健施設たんぽぽや、近隣の介護施設で体調が悪化して入院治療が必要となった方を受け入れています。

 2017年5月には一般病棟36床のうち13床が地域包括ケア病棟の認定を受け、これまで以上に在宅復帰に向けた支援をしやすい環境が整いました。

 現在、一般病棟23床、地域包括ケア病棟13床、回復期リハビリ病棟56床の計92床が稼働しています。

◎地域の要である児童精神科と小児リハビリ領域

 回復期リハビリ病棟ができ、それまで理学療法士や作業療法士、言語聴覚士合わせて15人程度だったリハビリスタッフを、毎年約20人ずつ新規採用。3年かけて約70人にまで増員しました。 

 リハビリの内容は症状や年齢に応じて内容が大きく異なるため「成人リハ領域」「小児リハ領域」「訪問リハ領域」「介護リハ領域」と専門ごとに四つのグループに分化しています。そうすることで、一人ひとりに合ったリハビリを提供することができています。

 礒病院時代から力を入れているのが「児童精神科」と「小児リハビリ領域」です。

 主に2歳〜小学2年の自閉スペクトラム症や注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害、その他さまざまな主訴を児童精神科医が診療し、必要に応じてリハビリを導入します。

 5室ある「言語療法室」では、言葉や発音、集団におけるコミュニケーションが苦手な患者に、言語聴覚士が絵本や絵カードを使ったリハビリを行います。

 各部屋の窓は、付き添いの保護者が子どもがリハビリに取り組む姿を見ることができるようにミラーガラスを使用。外側からは中の様子が見えますが、内側から外は見えないようになっています。

 「感覚運動療法室」では、バランスをうまく取ることができない、体幹を上手に使えないなどの理由で運動が苦手、あるいは落ち着きがない子どもに対してバランスボールや平均台、伸縮性のあるトンネルなどさまざまな道具や遊具を用いたリハビリをしています。

 運動機能や感覚機能の育ちを支援するだけでなく、運動に対する「苦手」意識を「できる」という成功体験に変えるため、できるだけ楽しく取り組めるように工夫しています。

 その他、院外でも医師会を通して行政や教育機関と連携し、情報共有などさまざまな支援に取り組んでいます。

 児童精神科の患者管理者数は約500人。当院は児童精神科と小児リハビリを併せ持つ豊川市で唯一の医療機関であり、豊川市内に限らず遠方からも多くの患者が訪れます。

 「成人リハビリ領域」では、急性期病院において脳血管障害や、骨折などの外科的手術を終えた患者を対象にしたリハビリを行っています。

 広めに造られたリハビリ室には和室とキッチンがあり、布団の出し入れや料理など、退院後の生活を想定した日常生活動作を訓練することができます。

◎就任1年 連携強化を

 大学を卒業して25年間、急性期病院の脳神経外科に在籍し、昼夜を問わず運ばれてくる患者の診療一筋で過ごしてきました。

 2014年に当院に赴任して、リハビリスタッフやソーシャルワーカーなどのさまざまな医療の専門家が患者にかかわり、病院が成り立っていることに改めて気付かされました。

 当院では、院内診療以外にも、地域の介護施設などで当院の医師が定期的に診療を行っています。

 個人宅には当院のリハビリスタッフや訪問看護ステーションの看護師、居宅介護支援事業所のケアマネジャーが訪れてケアするなど、退院後のフォローアップ体制も充実しています。

 独居高齢者世帯の増加や同居家族の介護力の低下は、今後より深刻な問題になってくることでしょう。どんな患者もシームレスに最適な環境に移行するために、急性期病院や地域の開業医、行政、福祉との連携強化を図っていきます。

◎独自の取り組みで認知度の向上を目指す

 患者のみならず、地域の急性期病院からも「リハビリと言えば、豊川さくら病院」と言ってもらえるように認知度を向上させることが今後の課題です。

 当院を知ってもらうための取り組みとして、昨年から月に一度、入院患者の家族を対象にしたセミナーを始めました。

 車いすの操作や装具を装着しての動作体験など、毎回異なるテーマで「患者になった疑似体験」をしてもらいます。「こんなに不自由だと思わなかった」と新たな気付きもあるようで、毎回好評いただいています。

 病院の理念は「私たちはありがとうを贈り、ありがとうを頂き、ありがとうであふれる空間を作り続けます」。

 患者さんに気持ちの良い環境で療養生活を過ごしてもらいたいと考え、リハビリの最後にはスタッフの方からも感謝の言葉を伝えるようにしています。

◎職員が成長でき、働きやすい環境を作る

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 回復期リハビリ病棟で食事前に実施している嚥下(えんげ)体操やレクリエーションなどの各種イベントは、看護師やリハビリスタッフが協力して企画しています。そのため職員同士の距離が近く、職種間の垣根が低いように感じますね。

 職員の働きやすさを考え、1989年から敷地内で託児所を運営しています。夜間保育も実施し、24時間預けることができるため、安心して働くことができると喜ばれています。

 当院を運営する「医療法人啓仁会」は、本部がある埼玉県を中心に、医療・介護・福祉サービスを展開しています。

 法人内の施設間では半年〜1年の期限付きで、定期的に職員の相互研修を行っています。リハビリスタッフが中心ですが、他の施設を体験することで、視野を広げることができるとスタッフからは好評です。

 今後は地域・患者・病院関係者に向けて、当院の魅力をアピールし、広く情報を発信していこうと考えています。

医療法人啓仁会豊川さくら病院
愛知県豊川市市田町大道下30-1
TEL:0533-85-6511(代表)
http://www.toyokawasakura-hp.jp/


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